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■光の回折限界を超える空間分解能を実現するTERS測定
金属板上にカーボンナノチューブ、酸化グラフェンを配置局在プラズモンを励起する金プローブでTERSイメージング測定を行いました。
いずれのスペクトルも明確なD-band,Gーbandが取得され、各強度分布でイメージング測定を行いました。
この結果から10nm径のカーボンナノチューブの検出が可能という事が示されました。
■AFM測定とラマン分光測定
原子間力顕微鏡(AFM)とラマン分光統合装置を用いることにより、AFM測定とラマン分光測定を試料を移動せずに測定が可能でです。
照射レーザー光のアライメント機構などにより容易に操作でき、高速データ処理、高い信頼性を実現したナノイメージング測定ができます。
■フォトルミネッセンス測定のイメージング測定
薄膜状態で発光ダイオードとなる、光起電材料のセレン化タングステン剥片のフォトルミネッセンス(PL)測定とより詳細情報が得られるチップ増強フォトルミネッセンス(TEPL)のイメージング測定を実施しました。
チップ増強することにより通常のPLではわからない微小エリアでの欠陥分布が取得できます。
■ナノ粒子の粒子径測定の応用
ゲルとは高分子溶液などが網目構造を形成し、流動性を失った状態の総称です。
液体中に分散したナノ粒子の粒子径測定(動的光散乱法)を応用し、ゲルの網目サイズを測定することができます。
希釈倍率の異なる化学解繊したセルロースナノファイバーゲルの網目サイズ分布を測定しました。
希釈倍率を上げるごとに網目サイズが大きくなる様子が観測されました。
金属の光学定数(n&k)には多くの文献値が存在しています。しかし実際に作製した金属のn&kの値は状態によって大きく変わり、文献値とは異なることが殆どです。特に膜厚が約10nm以下になると、n&kの値は全く違う材料になってしまったかのように大きく変化することがあります。ここでは金(Au)薄膜を例にして、n&kが膜厚によってどのように変化するかについて紹介しています。
分光エリプソメーターによるカーボンナノチューブ(CNT)の測定例 ▶
カーボンナノチューブ(CNT)はカイラリティによって、金属的あるいは半導体的になるといったように物性が変化します。分光エリプソメーターではネットワーク(膜)にしたCNTを測定することが可能であり、得られた光学定数(屈折率(n)、消衰係数(k))の波長分散より、このCNTの物性がわかります。CNTは軽量・高強度・柔軟で、導電性や熱伝導性が高いなどといった特性を持つことから、エネルギー、エレクトロニクス、バイオライフサイエンスなど、多様な分野で使われております。分光エリプソメーターにより膜にしたCNTが、金属的か半導体的かが分かることで、CNTの物性が定性的に分かり、狙ったアプリケーションに適切な膜であるかを確認することができます。本アプリケーションノートでは、膜状にした物性が異なるCNTの測定について紹介しています。
ダイヤモンドライクカーボン(DLC)薄膜はダイヤモンドとグラファイトの中間に位置する材料です。さまざまな手法で作製でき、多様な構成や構造、物性を有するものが存在します。そのため、用途も幅広く、高硬度や耐摩耗性に加えて、低摩擦係数や耐食性、ガスバリア性などが着目され、工具や光学部品の金型、各種摺動部品、医療関係材料などの分野への応用が広がっています。このようなさまざまな物性の中から、欲しいDLC膜、用途にあったDLC膜を選択することや、作製すること、管理するためには、DLCの構造や物性の評価が非常に重要です。ここでは、用途の異なる3種類のDLC膜の分光エリプソメーターによる評価例を紹介します。
グラフェンは高導電性、高強度、高熱伝導度、高化学安定性などの特長を持ち、透明導電膜の代替やトランジスタのチャネルなどへの応用が期待されております。分光エリプソメーターはこのような非常に薄いグラフェンの膜厚と膜質を非破壊・非接触で測定することができ、研究開発を行う上で非常に役立ちます。