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細胞から分泌される細胞外小胞の一つにエクソソームがあります。エクソソームは分泌した細胞由来の膜たんぱく質やmiRNAといった機能因子を含んでおり、細胞の挙動を知ることができるので、バイオマーカーや薬効研究など、再生医療や予防医療で注目を集めています。ガン細胞は正常細胞よりも多くのエクソソームを分泌するという予想もあり、個数濃度に関する研究が進められています。エクソソームの個数濃度を測定する際、粒子径が課題となっていました。エクソソームの大きさはサブミクロン以下と言われており、フローサイトメトリーや電気抵抗法では検出が困難です。そこで、懸濁液中のナノ粒子の数を測定する手法として、Particle Tracking Analysis(PTA)があります。ヒト血清由来エクソソームの個数濃度と粒子径分布評価を紹介します。
近年エクソソームに含まれる機能因子を解析する研究が進められており、その一つに特定の機能因子を蛍光ラベルして判別する技術があります。正常細胞と比較してガン細胞は多くのエクソソームを分泌するという予想もあり、エクソソームを判別して個数濃度を測定する手法が求められています。Particle Tracking Analysis(PTA)は蛍光特性を持つ粒子を判別し、個数濃度と粒子径分布を求めることができます。既知の膜たんぱく質CD9を蛍光ラベルしたヒト血清由来エクソソームについて、PTAを用いた個数濃度と粒子径分布評価を紹介致します。
X線分析顕微鏡(XGT)を用いたTiO2ナノ粒子 食物連鎖の解明 ▶
ジャコウアゲハ(Atrophaneura alcinous またはByasa alcinous)は、餌となるウマノスズクサ類(Atristolochia)に含まれるアリストロキア酸を体内に蓄積し、その毒性で天敵から身を守っていることが知られており、生態学的に注目されています(特に食物連鎖の毒物蓄積)。TiO2は生物活性が低いとされていますが、生態系の中での挙動は解明されていません。そこで、TiO2ナノ粒子水溶液で水耕栽培したウマノスズクサ(Aristolochia debilis)、そのウマノスズクサを餌に生育したジャコウアゲハの幼虫、そのジャコウアゲハの幼虫の糞をそれぞれXGTで測定して、TiO2ナノ粒子の食物連鎖における挙動を明らかにした研究結果を紹介します。
植物の元素分布を測定する場合、その植物が生存していた時のままの分布像が求められます。X線分析顕微鏡(XGT)のマッピング測定では、生きている植物の葉を測定して元素分布像を得ることができます。X線分析顕微鏡(XGT-5200, 堀場製作所)を用いて、ツル植物のウマノスズクサの茎を水につけて生きたままの葉の元素分布を測定し、押し葉にして保存されていたウマノスズクサの葉の元素分布と比較しました。