店舗内に設置した移動可能なデジタルサイネージ動的コンテンツによる訴求効果向上と、お客様との新しいコミュニケーションとして売上にも貢献
株式会社グッデイ様
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高山市役所
岐阜県北部に位置する高山市は、日本で最も面積が大きい市です。古い街並が残る市街地に加え、北アルプスの雄大な自然景観、豊かな湯量の温泉など、観光都市として栄えており、飛騨春慶、一位一刀彫、小糸焼など伝統工芸も盛んです。
高山市では 2020 年 4 月より、市内の中心部を走る観光特化型バス「匠バス」を運行しており、その車内に電算システムから導入したデジタルサイネージで、拡張性・可用性・保守性・管理性に優れた ChromeOS 搭載の STB( セットトップボックス ) Google Cloud 上で提供され、低負荷運用可能な CMS「StratosMedia」による観光情報発信をしています。このたび、このバス内デジタルサイネージの持つ可能性と利活用の拡大による、さらに進んだ観光振興を目指し、地方創生を目的とした「温泉むすめ」とのコラボレーションを 2023 年 3 月から開始しました。
(取材はオンラインで Google Meet を利用)
課題
対策
効果
高山市では、2020年4月から観光特化型バス「匠バス」を運行しています。高山祭をテーマにした外装や、一位一刀彫や飛騨春慶などの飛騨の伝統工芸を取り入れた内装が特徴的なバス内には、電算システムから導入したデジタルサイネージが設置されており、これまでは高山市内の観光スポット、イベント、伝統的な食べ物、工芸品、近隣施設などの情報を発信していました。
「コロナ禍で観光客が減少したことで匠バスの利用者も減少し、匠バスの魅力を訴求できていないという課題がありました。感染拡大が落ち着いたタイミングで、デジタルサイネージを活用してインパクトがある取り組みができないかと電算システムに相談したところ、人気コンテンツの『温泉むすめ』を活用するという提案がありました」(山田氏)
高山市の温泉むすめは、元気いっぱいの高山匠美。実力派人気声優の花守ゆみりさんがCVを担当しています。名前が同じ「たくみ」であることから、匠バスとのコラボがマッチすると考えました。山田氏は、アニメツーリズムを推進している飛騨・高山観光コンベンション協会の中道氏の協力を仰ぎながら、実現することにしました。
「温泉むすめがデジタルサイネージに登場することで全国のファンが関心を持ちますし、高山市の観光振興にも活かせることからこの企画を実現しました」(山田氏)
また高山市では、来訪者の増加による市街地中心部の交通渋滞の緩和策として公共交通機関の利用を推奨しており、匠バス利用者には、市営駐車場の利用料を3時間無料にする取り組みを実施しています。
「高山市では、観光地を散策しやすいよう道路の整備や無電柱化などに取り組んできました。パークアンドライドもその一つで、車で訪れた方が車を停めてバスで移動しながら、観光地巡りを楽しんでもらうことを推奨しています。温泉むすめの施策も、この取り組みを促進するという期待がありました」(大下氏)
デジタルサイネージに高山匠美がバスガイドの衣装を着てバーチャルバスガイドとして登場することに決まり、コンテンツの制作を行いました。
「イラストの素案をまとめるところに産みの苦しみがありました。元気いっぱいというキャラクターの個性を活かせるポーズを自分でも試しながら考えました。バスの運行を担当している濃飛バスにキャラクターが着る制服の写真を依頼したところ、ポーズに合わせて様々な角度から写真を送ってくれるなど、積極的に協力してもらえました。
制服以外にも、飛騨高山のお土産として人気のさるぼぼやブローチなど、身につける小物にもこだわりました。素案が決まってから、イラストレーターに描き下ろしてもらい、それをもとに電算システムで動画を作成しました」(中道氏)
バスの車内では、声優の花守ゆみりさんがバス停の案内や匠バスに使われている工芸品の紹介などをアナウンスします。
「担当者みんなで、キャラクターの個性に合わせたセリフを考えました。声優の収録時は私たちはオンラインで参加し確認しました。方言のイントネーションを伝え、高山市らしさを表現してもらえたと思います」(中道氏)
「バス内の音声の再生は、運転士による車内放送と重ならないようにタイミングを調整し、安全な運行を最重視して対応しました。観光地を周るバスならではのコンテンツが作成できたと思います」(山田氏)
運行初日の2023年3月24日にお披露目式を実施し、継続的に運行しています。
「お披露目式の告知から開催までが1週間と短かったのですが、静岡や神戸など遠方から来られた熱心なファンの方がいらっしゃいました。地元の新聞が取材に来るなど盛り上げられたと思います」(山田氏)
「観光協会のSNSでこの取り組みを紹介したところ、声優のネームバリューもあって、普段飛騨高山に注目していない層からも反応がありました。運行後は、コンスタントに乗車した方の感想がSNSに投稿されていて、『キャラクターが動くのがかわいい』という反応の他、工芸品を使った匠バスの内装にも関心を持たれていることがわかります」(中道氏)
デジタルサイネージに温泉むすめが登場してから乗車数が増えています。
「一概に今回の施策だけの効果とは言えませんが、昨年の3-5月期と比べて乗車数が20%増えています。この企画の実施以前の2月と3月を比べても乗車数が100人増えているので、効果が出ているのかなと思います。年間の乗車数3万人という目標があり、今年はすでに2万8千人近いので、目標達成できそうです」(山田氏)
また、濃飛バスで販売している温泉むすめの缶バッジも販売数が増加しています。
「一人3個まで購入に制限がある中、5ヶ月で900個が売れているため増産を繰り返しています。コンベンション協会でも販売していますが、缶バッジ購入を目的に来訪する方もいて、匠バスとの相乗効果を感じます」(中道氏)
今後はさらにこの取り組みを強化して、観光客の誘致につなげていきたいと話します。
「現状、バスサイネージで声優が案内する停留所は主要な観光スポットが中心で、全停留所の約半分なので、これをもっと増やしていきたいです。他にもデジタルサイネージを活用したスタンプラリー告知なども企画しています」(山田氏)
「匠バスに乗ると駐車場割引のサービスがあるので、自分も使ってみて便利だなと感じました。温泉むすめをきっかけに、市民にも匠バスの魅力を知ってもらって乗車してもらえるよう、広報も強化していきたいです」(中道氏)
電算システムは、高山市の様な移動体でのデジタルサイネージの設置やコンテンツ提供に加え、常時設置型のデジタルサイネージやインタラクティブサイネージも多数の実績があり、デジタルサイネージを観光や地域の情報発信に活かす様々なご提案が可能です。
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