ポケモンワールドチャンピオンシップス
ポケモンワールドチャンピオンシップス (Pokémon World Championships) は、年に一度開かれるポケットモンスターシリーズおよびポケモンカードゲームの世界一を決める大会。
略称は「WCS」「ポケモンWCS」など。年を入れて「WCS20○○」とも呼ばれる。
ライブ大会や世界大会の様子は各種動画サイトで生放送される。基本的にはマスターリーグの試合が配信されることが多い。
参加資格(カードゲーム部門、ゲーム部門)
世界各地域の予選で上位に入ったプレイヤーや前年の上位選手が参加資格を得て出場することができる。日本からも各部門、各カテゴリで数多くの選手が出場している。ただし、2011年には東日本大震災の影響で日本の国内予選が中止され、2012年と2013年のゲーム部門では日本予選の上位2人のみしか参加できないという狭き門であった。
2014年以前は大会前日にLCQ(ラスト・チャンス・クオリファイヤー、最終予選。ラストチャレンジ予選とも)が開催され、上位に入れば世界大会出場権利を得ることができた。2015年よりLCQは廃止されて代表選手のみ出場可能となり、Day1、Day2、Day3の3日間開催となった。Day1を勝ち抜いたプレイヤー及びシード権を持つ選手がDay2に進出して世界一をかけて争う。2024年からシード権をもつ選手もDay1から参加するようになり、1回戦をBye(不戦勝)できるという権利に代替された。Day3では決勝戦のみが行われる。
対戦形式はスイスドローとトーナメントの複合形式が採用されている。2016年以降は2敗以内でスイスドローを終えた選手がトップカット(決勝トーナメント)に進出し、そのトーナメントで優勝した選手が世界チャンピオンになるという形式である。世界大会の全試合はマッチ戦形式で行われ、3本勝負をして2本先取した側の勝ちとなる。
参加者は年齢別のカテゴリー分けがされ、それぞれの部門で争われる。年齢区分の目安は以下の通り。
ジュニアリーグ | - | 小学生以下 |
シニアリーグ | - | 中学生 |
マスターリーグ | - | 高校生以上 |
カードゲーム部門
2002年にウィザーズ・オブ・ザ・コーストが一度開催した。2003年は開催されず、2004年以降は(中止された2020年、2021年を除き)The Pokémon Company Internationalが毎年開催している。2002年の大会はジュニアとシニア部門のみ開催され、2004年以降は3部門で開催された。
複数回優勝したプレイヤーはJason Klaczynski(2006年、2008年、2013年のマスターリーグで優勝)のみ。
毎年参加者の使用デッキのうち4種類が選ばれ、英語版のレプリカデッキが発売されている。これらのレプリカデッキのカードは公式トーナメントで使用できない。
ゲーム部門
2009年から開催。ソフトは開催時点での最新作のみを利用し、その最新作と相互互換があるソフトであっても使用することはできない。
対戦ルールは初開催のWCS2009以来一貫してダブルバトルである。日本ではシングルバトルのプレイヤーの人口が多いが、シングルバトルでは試合時間や戦略性に競技的な問題があるためダブルバトルが定着したと言われている。
レギュレーションは毎年変更され、俗にいう「地方ダブル」、「全国ダブル」、「GSダブル」でローテーションする形が現在では主流である。各レギュレーションの概要は以下の通り。
- 地方ダブル
- 新作のポケモン図鑑に載っているポケモンのみ使用可能という形式。例えばカロス図鑑限定のダブルバトルは「カロスダブル」と呼ばれる。各世代の第一作目で行われ、過去作から連れてきたポケモンは使えないので教え技は基本的に使用できない。
- 全国ダブル
- 特別な伝説ポケモンを除くすべてのポケモンが使用可能。第七世代以前のレーティングダブルに準拠したルール。
- GSダブル
- ミュウツーやルギアなど、特別な伝説ポケモンを2匹まで使用可能。「GSルール」という名称は初めてこのルールが採用されたハートゴールド・ソウルシルバーに由来する(同ゲームにおける名称は「ジーエスカップ」)。
第六世代(WCS2014)以降は出身マークの付いているポケモンのみ使用可能になり、前作からポケモンバンク等で連れてきたポケモンは使用できなくなっている。また、第六世代(WCS2014)以降は決勝戦に専用のフィールドとBGMが用意されている。ただしWCS2022以降の専用bgmは2023年現在廃止されている。BGMは初代のチャンピオン戦(グリーン戦)のアレンジである。
WCS2018までは地方予選から世界大会まで一貫して同じレギュレーションで行われていた。しかし、WCS2019はメガシンカ・ゲンシカイキ・Zワザが禁止の「サンシリーズ」、Zワザが解禁された「ムーンシリーズ」、全て解禁された「ウルトラシリーズ」の三期間に分けて予選が開催され、世界大会はウルトラシリーズで実施されている。第八世代(WCS2020)以降、公式大会は現行のランクバトルのルールが適用されるのが基本となっており、各予選や世界大会のレギュレーションで差異が生じることも珍しくない。
WCS2009
- 開催地
- アメリカ・サンディエゴ
- 対戦ソフト
- プラチナ
- 対戦レギュレーション
- 全国ダブル
- マスターカテゴリ優勝者
- ツジ カズユキ選手(日本 ハンドルネーム:草薙昨日)
- 優勝パーティ
- メタグロス、ボーマンダ、ルンパッパ、ドクロッグ、カビゴン、エンペルト
WCSの初回はマスターカテゴリ決勝戦が日本人対決となる。その後も2015年、2019年の決勝が日本人同士の勝負となっている。
WCS2010
- 開催地
- アメリカ・ハワイ
- 対戦ソフト
- ハートゴールド・ソウルシルバー
- 対戦レギュレーション
- GSダブル
- マスターカテゴリ優勝者
- Ray Rizzo選手(アメリカ)
- 優勝パーティ
- グラードン、カイオーガ、ディアルガ、クレセリア、ハリテヤマ、ルンパッパ
日本の国内予選が会場大会で行われるのはこの年が最後となった。本来は2011年も会場大会の予定であったが、震災のため自粛となっている。
WCS2011
- 開催地
- アメリカ・サンディエゴ
- 対戦ソフト
- ブラック・ホワイト
- 対戦レギュレーション
- 地方ダブル(イッシュ図鑑限定)
- マスターカテゴリ優勝者
- Ray Rizzo選手(アメリカ)
- 優勝パーティ
- ボルトロス(けしん)、テラキオン、サザンドラ、ゴチルゼル、ローブシン、シュバルゴ
東日本大震災の影響で日本国内予選が行われていない。とはいえ前年上位者は招待出場されるため日本の選手が全くいないわけではなかった。イッシュ図鑑に載っているポケモンは151匹のみのため選択肢の少ない環境だった。
WCS2012
- 開催地
- アメリカ・ハワイ
- 対戦ソフト
- ブラック・ホワイト
- 対戦レギュレーション
- 全国ダブル
- マスターカテゴリ優勝者
- Ray Rizzo選手(アメリカ)
- 優勝パーティ
- サザンドラ、ガブリアス、クレセリア、メタグロス、バンギラス、ウォッシュロトム
アメリカ人同士の決勝でRay選手が勝利し三連覇を達成した。準優勝のWolfe選手は4年後に優勝することになる。この年から日本の国内予選では地方会場大会が廃止されインターネット予選が導入された。この年のマスターリーグ、シニアリーグ、ジュニアリーグ1から4位のパーティはPWTのダウンロードトーナメントとして配信された(マスターせかいおうじゃに いどめ!、シニアせかいおうじゃに いどめ!、ジュニアせかいおうじゃに いどめ!!を参照)。
WCS2013
- 開催地
- カナダ・バンクーバー
- 対戦ソフト
- ブラック2・ホワイト2
- 対戦レギュレーション
- 全国ダブル
- マスターカテゴリ優勝者
- Arash Ommati選手(イタリア)
- 優勝パーティ
- トルネロス(けしん)、ラティオス、クレセリア、ヒードラン、マンムー、モロバレル
初めてヨーロッパ地域の選手が優勝した。ランドロス(れいじゅう)が初登場した年であるが、優勝者はまけんきトルネロス(けしん)とマンムーでそれを対策していた。
WCS2014
- 開催地
- アメリカ・ワシントンD.C.
- 対戦ソフト
- X・Y
- 対戦レギュレーション
- 地方ダブル(カロス図鑑限定、カロスマーク限定)
- マスターカテゴリ優勝者
- Sejun Park選手(韓国)
- 優勝パーティ
- メガギャラドス、ファイアロー、ガブリアス、ゴチルゼル、サーナイト、パチリス
初めて韓国の選手が優勝した。パチリスが大活躍した決勝戦はWCSの象徴とも言われるほど有名で、その後韓国ではSejun選手のパチリス配布イベントが行われている。
WCS2015
- 開催地
- アメリカ・ボストン
- 対戦ソフト
- オメガルビー・アルファサファイア
- 対戦レギュレーション
- 全国ダブル(カロスマーク限定)
- マスターカテゴリ優勝者
- ホナミ ショウマ選手(日本 ハンドルネーム:ビエラ)
- 優勝パーティ
- メガガルーラ、ランドロス(れいじゅう)、ボルトロス(けしん)、クレセリア、ヒードラン、モロバレル
この年からDay1、Day2の2日間開催のシステムになった。この年に限り日本人は国内予選の結果に関わらずDay1に参加できたため、大会参加者の日本人の比率が非常に高くなり、マスターカテゴリの1位~7位を日本人が独占。日本人の優勝は2009年以来6年ぶり。また、上位のメガシンカ枠はメガガルーラが独占し、メガ枠以外もほぼ同じポケモンが固まるなど歴代で最も偏った環境となった。
WCS2016
- 開催地
- アメリカ・サンフランシスコ
- 対戦ソフト
- オメガルビー・アルファサファイア
- 対戦レギュレーション
- GSダブル(カロスマーク限定)
- マスターカテゴリ優勝者
- Wolfe Glick選手(アメリカ)
- 優勝パーティ
- メガレックウザ、ゲンシカイオーガ、メガゲンガー、カポエラー、ドータクン、ライチュウ
決勝戦は2012年以来のアメリカ人対決となっている。日本の選手は国内予選上位50位の選手のみがDay1の参加資格を得られるシステムとなった。また2敗以内であればスイスドローのオポネントに関わらずトップカットに上がれる仕組みとなったが、この年の日本人選手は全員3敗以上しており誰もトップカットに残ることはできなかった。
WCS2017
- 開催地
- アメリカ・アナハイム
- 対戦ソフト
- サン・ムーン
- 対戦レギュレーション
- 地方ダブル(アローラ図鑑限定、アローラマーク限定、メガシンカ不可)
- マスターカテゴリ優勝者
- オオツボ リョウタ選手(日本 ハンドルネーム:バルドル)
- 優勝パーティ
- カプ・コケコ、カプ・レヒレ、ワルビアル、エルフーン、テッカグヤ、ガラガラ(アローラのすがた)
決勝戦では日本人選手が初戦負けの後に二本取り返し、ストレートで決まりがちなWCS決勝では珍しい逆転勝利での優勝となった。
日本予選の詳細はジャパンチャンピオンシップス2017の記事を参照。
WCS2018
- 開催地
- アメリカ・ナッシュビル
- 対戦ソフト
- ウルトラサン・ウルトラムーン
- 対戦レギュレーション
- 全国ダブル(アローラマーク限定)
- マスターカテゴリ優勝者
- Paul Ruiz選手(エクアドル)
- 優勝パーティ
- メガボーマンダ、カプ・コケコ、ガオガエン、トリトドン、カミツルギ、カビゴン
南アメリカ地域の選手が初優勝。初めて世界大会決勝に上がったほろびのうたパーティを相手に、時間稼ぎのみがわりをバークアウトで貫通するなど巧妙に対策を打って勝利している。
WCS2019
- 開催地
- アメリカ・ワシントンD.C.
- 対戦ソフト
- ウルトラサン・ウルトラムーン
- 対戦レギュレーション
- GSダブル(アローラマーク限定)
- マスターカテゴリ優勝者
- ミゾブチ ナオヒト選手(日本 ハンドルネーム:ペンギン)
- 優勝パーティ
- ルナアーラ、ゲンシグラードン、メガボーマンダ、カプ・レヒレ、ガオガエン、ツンデツンデ
決勝は4年ぶりの日本人対決となった。2015年、2017年に引き続きその年の日本チャンピオンが決勝に上がるも敗れている。
WCS2020
- 開催地
- イギリス・ロンドン
- 対戦ソフト
- ソード・シールド
新型コロナウイルスの影響で中止となった。それ以前にWCS2011の国内予選が中止になったこともあったが、WCSそのものの中止は史上初。各地域では代替としてオンライン大会が行われており、日本では「ポケモン日本一決定戦2020」が行われた。
WCS2021
- 開催地
- イギリス・ロンドン
- 対戦ソフト
- ソード・シールド
新型コロナウイルスの影響により2年連続で中止となった。 日本予選は延期の末開催されており、詳細はポケモンジャパンチャンピオンシップス2021の記事を参照。
WCS2022
- 開催地
- イギリス・ロンドン
- 対戦ソフト
- ソード・シールド
- 対戦レギュレーション
- GSダブル
- マスターカテゴリ優勝者
- Eduardo Cunha選手(ポルトガル)
- 優勝パーティ
- トリトドン、バドレックス(こくばじょうのすがた)、ゴリランダー、ガオガエン、ボルトロス(けしん)、ザシアン
2020・2021が中止となったことで、ソード・シールドで行われた最初で最後の大会となった。BGMにはソード・シールドのチャンピオン戦のBGM・シュートスタジアムのBGMが使用された。優勝した選手は、第2予選となったDay2・トーナメントのDay3・決勝のDay4と、無敗で優勝を飾った。また、ジュニアカテゴリ・シニアカテゴリでは、両カテゴリともに日本人選手が優勝を飾った。
日本予選の詳細はポケモンジャパンチャンピオンシップス2022の記事を参照。
WCS2023
- 開催地
- 日本・横浜
- 対戦ソフト
- スカーレット・バイオレット
- 対戦レギュレーション
- ダブル(レギュレーションD)
- マスターカテゴリ優勝者
- キムラ ショウヘイ選手(日本 ハンドルネーム:じーん)
- 優勝パーティ
- ハバタクカミ、ウーラオス(れんげき)、テツノカイナ、パオジアン、モロバレル、ランドロス(れいじゅう)
- 日本での開催は初。ジュニアカテゴリ・シニアカテゴリ・マスターカテゴリの全部門で日本人選手が優勝した。
- レギュレーションDは、禁止級伝説を除き開催時点のSVに実装されたすべてのポケモンが使用可能な、ほぼ全国ダブルに相当するルール。
- 決勝トーナメント以降のBGMはネモ戦(決戦)で、オレンジアカデミーとグレープアカデミーの交流戦を思わせる専用フィールドでの対戦である。
- この年からオープンシート制が導入され、お互いにポケモンの技や特性を書いたシートを交換して対戦する形式が採られた。
日本予選の詳細はポケモンジャパンチャンピオンシップス2023の記事を参照。
WCS2024
- 開催地
- アメリカ・ハワイ
- 対戦ソフト
- スカーレット・バイオレット
- 対戦レギュレーション
- ダブル(レギュレーションG)
- マスターカテゴリ優勝者
- Luca Ceribelli選手(イタリア)
- 優勝パーティ
- ミライドン、ウーラオス(れんげき)、テツノカイナ、オーガポン(かまどのめん)、リキキリン、エルフーン
レギュレーションGは禁止級伝説を一匹だけ使用可能なルール。禁止級伝説を0匹でも二匹でもなく一匹だけ使用できるレギュレーションでWCSが行われるのは初となる。
ポッ拳部門
2016年から2022年まで開催。対象となるのはWii U版などの家庭用ゲーム機版。
WCS2016
- 開催地
- アメリカ・サンフランシスコ
- 対戦ソフト
- ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT
- 対戦レギュレーション
- ベーシックバトル、フェルムスタジアム固定、スキルレベル無効
- マスターカテゴリ優勝者
- ぽてちん選手(日本)
- 使用キャラ
- ミュウツー、シャンデラ、マニューラ、マスクド・ピカチュウ
決勝戦は日本人対決となり、ルーザーズ側から6-0でシャンデラでの勝利となった。ベスト8中に日本人は4人であった。
WCS2017
- 開催地
- アメリカ・アナハイム
- 対戦ソフト
- ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT
- 対戦レギュレーション
- ベーシックバトル、フェルムスタジアム固定、スキルレベル無効
- マスターカテゴリ優勝者
- とのさま選手(日本)
- 使用キャラ
- テールナー
決勝戦は日本人対決で、1-0からルーザーズ側の選手が3連勝したが、リセット後は逆にウィナーズ側だったとのさま側が3連勝して決着となった。
ベスト8中の日本人は5人であり、上位5位(タイ)までを独占する形となった。
WCS2018
- 開催地
- アメリカ・ナッシュビル
- 対戦ソフト
- ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT DX
- 対戦レギュレーション
- ベーシックバトル、フェルムスタジアム固定、スキルレベル無効
- マスターカテゴリ優勝者
- ThankSwalot選手(アメリカ)
- 使用キャラ
- ジュカイン、エンペルト
この年以降はNintendo Switch版での開催となった。決勝は日本人選手対アメリカ人選手となり、初めて日本以外の地域の選手が登場した。
ルーザーズ側のゲンガーが5連勝し追い詰められるもそこから3連勝して巻き返し、初の日本以外の地域の初優勝者となった。ベスト8中の日本人選手は6人であった。
WCS2019
- 開催地
- アメリカ・ナッシュビル
- 対戦ソフト
- ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT DX
- 対戦レギュレーション
- チームバトル、フェルムスタジアム固定、スキルレベル無効
- マスターカテゴリ優勝者
- すぶたん選手(日本)
- 使用キャラ
- マスクド・ピカチュウ、テールナー、シャンデラ、ギルガルド
この年以降は3体のポケモンでチームを組むチームバトルルールでの開催となった。決勝は日本人対決であり、初のウィナーズ側のままの勝利となった。
ベスト8中の日本人は6人であり、1〜4位を独占する形となった。1〜4位はいずれも過去大会でのトロフィー獲得者であった。また、この年から前年の優勝者がシード枠として本戦に招待されるようになった。
WCS2020
- 開催地
- イギリス・ロンドン
- 対戦ソフト
- ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT DX
いくつかの国で予選は行われたが、本戦は他部門と同様に新型コロナウイルスの影響で中止となった。
WCS2022
- 開催地
- イギリス・ロンドン
- 対戦ソフト
- ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT DX
- 対戦レギュレーション
- チームバトル、フェルムスタジアム固定、スキルレベル無効
- マスターカテゴリ優勝者
- Shadowcat選手(アメリカ)
- 使用キャラ
- テールナー、ジュカイン、ダークライ
ポッ拳(ポッ拳DX)部門の最後の開催。 新型コロナウイルスの影響で2022年に延期となった。 2019年の本戦や2020に開催された予選での権利獲得者もこちらで参戦した。 日本で出場権を得られる大会は行われなかったため、日本人の参加方法はロンドンでの前日のLCQのみとなる。WCS全体でも初の日本予選のない部門であった。 トップ8中4名が日本人だったが、トップ3はいずれも海外選手である。 優勝したShadowcat選手はLCQでの1位通過であり、決勝はフルセットフルラウンドまでもつれこんだ。
Pokémon GO部門
2019年に招待選手権として開催されたのち、2022年より正式種目。ポッ拳部門同様、選手名は本名ではなくプレイヤーネームで呼ばれる。
対戦ルールは招待選手権のときを含め一貫してスーパーリーグの6匹見せ合い・3匹選出で、ダブルエリミネーション方式をとる。原則として、準決勝までは3番勝負、勝者側決勝・敗者側決勝・優勝決定戦は5番勝負。
WCS2019
- 開催地
- アメリカ・ワシントンD.C.
- 対戦形式
- 開会式直後のエキシビションマッチとして、招待選手8名によるダブルエリミネーション方式。全試合5番勝負。
- 優勝者
- PogoKieng選手(カナダ)
- 優勝パーティ
- エアームド、マリルリ、デオキシス(ディフェンス)、ラグラージ、トロピウス、ブラッキー
優勝者は勝者側決勝での敗北から敗者側決勝を制して優勝決定戦に進出し、リセットに持ち込み逆転優勝を飾った。
WCS2022
優勝者は大会序盤に敗者サイドに回りながらも敗者側決勝を経て優勝決定戦まで勝ち上がった。最終第5戦を1ターン差で競り勝ってリセットに持ち込むと、リセット最終第5戦を制して初代世界王者の座を得た[1][2]。
WCS2023
優勝決定戦は勝者側準決勝の再戦となったが、勝者サイドの選手がそのまま優勝した。史上初めて、Play! Pokémon (en)管轄の大会の全クラス(リージョナル、インターナショナル、ワールド)でタイトル保持者となった[3]。
Pokémon UNITE部門
2022年より正式種目。総当りのグループステージを行い8チームまで絞り込み、ダブルエリミネーション方式の決勝トーナメントを行う。準決勝までは3番勝負、勝者側決勝・敗者側決勝・優勝決定戦は5番勝負。
WCS2022
- 開催地
- イギリス・ロンドン
- グループステージ
- 出場13チームを4組に分け各組上位2チームが決勝トーナメント進出
- 優勝チーム
- BLVKHVND(北米)
WCS2023
- 開催地
- 日本・横浜
- グループステージ
- 出場28チームを8組に分け各組首位が決勝トーナメント進出
- 優勝チーム
- Luminosity Gaming(北米)
前年王者BLVKHVNDを母体とするLuminosityが優勝し、大会連覇を達成。グループステージ初戦を2勝1敗で白星発進すると、以後全試合ストレート勝ちという圧巻ぶりであった。
WCS2024
- 開催地
- アメリカ・ハワイ
- DAY1
- グループステージ
- 最大30チームを8グループに分け総当たり。各組上位2チームがDAY2へ
- DAY2
- 16チームによるシングルエリミネーション方式
- グランドファイナルはBo5、それ以外の試合は全てBo3。
- 優勝チーム
- FENNEL(日本)
PJCS2024を「チャンピオンロード」として制覇した後、チーム名を所属するプロチームの名前に改名。決勝戦では一戦も落とさず3連勝で勝利と、圧倒的な強さを見せつけた。この大会にユナイト部門が追加されてからは、初の日本チームの勝利となった。
アニメにおけるポケモンワールドチャンピオンシップス
ポケットモンスターにおける世界最強のポケモントレーナーを決める超大型の大会。詳細はポケモンワールドチャンピオンシップス (アニメ)を参照。
問題点
公式大会であるポケモンWCSでは不正行為をはじめとした競技的な問題がいくつか存在している。
使用ポケモンに関する問題
ゲーム部門において、いわゆる改造ポケモンが公式大会で使われたという事案は多数報告されている。ステータス999や覚えられないはずの技を覚えているなどのあからさまなものは少ないが、正規プレイではありえないニックネームが付いていたり、実現不可能なボールに入っていたことから改造が発覚するケースは多い。なお、GTSやミラクル交換で手に入れたものが改造であったために失格処分を受けるという例も存在し、公式大会の参加ポケモンは極力他人産のものを使わないことが推奨される。
公式によるチェックが行われており、改造ポケモンの使用が発覚したプレイヤーは失格処分となる。チェックをすり抜けてしまう場合もあり、WCS2023ではマスターカテゴリで優勝した選手が使用したポケモンの一体が改造ポケモンであったことが大会後に発覚している。(選手はGTSで入手したものと釈明している)。
また、世界大会ではパーティシートの書き間違えで失格処分を受けたり、書き間違えたポケモンの一部の技や持ち物が使えなくなるなどペナルティを受けるものもいる。日本のレギュレーションと異なる部分も多いため確認は怠らないようにしなければならない。
インターネット予選に関する問題
ゲーム部門において、WCS2012からレーティングバトルによる国内予選が導入され、それを勝ち抜いたプレイヤーが関東圏で行われるライブ大会(PJCS)に進出する形式となった。ライブ大会では上位入賞者にのみ世界大会の参加権が与えられる場合もあれば、出場者全員に世界大会の参加権が与えられ、シード権やトラベルアワード(世界大会の旅費)、日本一の称号だけを争う場合もある。
第五世代では切断に対するペナルティがなかったため、「対戦結果をサーバーに送る前にDS本体の電源を切る」などといった方法で、負け試合だけなかったことにし、勝ち試合だけを換算していく、ということが可能となっていた。公式は切断が高頻度のプレイヤーは、最終ランキングから除外するという措置を取った。
第六世代に入ると切断した側が負け扱いになるよう対策された。しかしそれでも問題は尽きず今度はトスという方法が問題になった。これは仲間内などで複数のロムを用意し、意図的に2つのロムをマッチングさせて片方に勝利を譲り、レートを上げる不正行為である。
不正を意図したものではないにせよ、初手降参が選ばれてしまう事態もあった。第七世代に行われたポケモンジャパンチャンピオンシップス2017予選では参加賞としてメガストーンが先行配布され、2019年予選ではカプの色違いが配布された。これにより参加賞目当てのプレイヤーが初手降参を選ぶケースが頻発。1日ごとの対戦回数に制限があり、参加賞目当ての初手降参勢に当たるか否かでアドバンテージの差が生まれてしまう状況であった。
このように会場大会のような監視ができないインターネット予選では当初から様々な問題が生じていた。不正の確認されたプレイヤーはランキングから除外され、ライブ大会の参加権利を得られない。ただ意図的に不正したプレイヤーを判別して除外するのは難しいためか、近年はライブ大会の参加権利を得られるプレイヤーの人数を増やし、会場大会の比率を高めることによって対策を行う節が見られる。2012年にはライブ大会に参加できる人数は6人のみだったものの、2013年には32人、2017年には50人、2018年は100人、2019年は150人と年々参加権利者が増えていた。しかし2021年以降はコロナ禍のため会場参加者を絞る目的か、予選通過者を招待制のインターネット大会である本戦で再度争わせてその上位64人にのみ出場権を付与する形となった。
会場大会に関する問題
オフライン対戦においては不正行為は起こりにくい。一方、第四世代以前のゲーム大会や現在のカード大会では、東京大会など応募者多数の大会で抽選漏れするプレイヤーが出たり、逆に過疎地域ではレベルの低いプレイヤーが予選大会を勝ち抜いたりと、大会会場のキャパシティによる問題が目立った。
決勝戦を含む配信卓での試合では、選手はヘッドセットを装着する。対戦相手およびスタッフとの相互通信を行う目的に加えて、公平な進行のためヘッドセットからノイズを流して試合外の音声を遮断する目的がある。しかし、とくに通訳を介する場合、このノイズのために選手が聴き取りに難儀する場合がある[4]。
また、配信卓で試合が映されたプレイヤーはチームやデッキの中身が公開されることでその後の対戦で不利となる場合がある。ゲーム部門では第九世代からオープンシート制が導入され、お互いに技や持ち物を公開して対戦を行う形式となった。
カードゲーム部門においては、TCG特有のイカサマなどの問題がたびたび話題に挙がる。そのほか、ジャッジの判断についても問題になることがある。とくに国際大会では、他の国際競技スポーツのような注意・警告・ペナルティが細かく規定されていることから、状況がより複雑になる。以下に実例を示す。
- WCS2019カードゲーム部門決勝では、試合1本目で日本代表選手が勝負所で80秒余りの思考(通訳を介したコミュニケーションを含む)をしたところ、スロープレイ(遅延行為)の警告の判定となり、さらにこれが累積警告の判定となってサイド2枚のペナルティが与えられた。この時点で相手のオーストラリア代表選手はサイド残り2枚だったことから、ペナルティが直接1本目の勝敗を分けた。試合はそのままオーストラリア代表選手の2本連取で決する。ジャッジの裁定には放送席も事態を把握できず、大会の中継を視聴していた日本勢から「ジャッジキル」「人種差別的ジャッジ」などの非難が殺到する騒ぎとなった。また大会後には、累積警告の取り扱いに関して選手・日本語スタッフ・ジャッジの間で認識が異なっていた可能性や、累積そのものに対する疑義が呈された。
- なお選手本人は、裁定の場面で冷静に検証を請求できずに裁定に従った点を自身の力不足として認めている。
人口に関する問題
ジュニアカテゴリの参加人数減少が著しく、JCS2017オンライン予選はランキング集計対象者が998人に留まっていた。しかもJCS2017ライブ大会への参加者はある程度のレートまでの参加者から繰り上げ参加を公式が募っても50人集まらなかった[5]。そのため、WCS2018期には通常のオンライン予選に加えてインターネット大会『International Challenge March』を2回開催することで十分な本戦出場者を確保しようとしたが、こちらのジュニアカテゴリは事実上シニアカテゴリとの合同で開催したものの、2018年1月大会と5月大会はジュニア・シニア合同でそれぞれ938人、842人の参加にとどまり、JCS2018通常オンライン予選ジュニアカテゴリに至っては257人と極度の過疎であった。
脚注
- ↑ Pokémon GO Masters Grand Finals - godanhada vs DancingRob | Pokémon Worlds 2022, The Official Pokémon YouTube channel 2022-09-01
- ↑ Pokémon Championships History Ep. 6: The First Pokémon GO Champion, The Official Pokémon YouTube channel 2023-08-08
- ↑ Pokémon GO Recap I 2023 Pokémon World Championships, The Official Pokémon YouTube channel 2023-09-13
- ↑ ポケモンGO部門で出場したくじらは「時間になると配信卓に移動。着席しヘッドフォンを付けるとまずはインカムの確認。ノイズが凄くて、通訳の声ですらかなり聴きとりにくいので注意。(これが意思疎通が難しい理由)」と綴っている。くじら ポケモンワールドチャンピオンシップス2022にポケモンGOで参加してきた 2022-09-08
- ↑ 息子のポケモンJCS 2017 全国大会参加の記録 雨の日もプラナーとマスターボール