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4.9 hrs last two weeks / 420.3 hrs on record (156.3 hrs at review time)
Posted: 2 May, 2023 @ 4:02pm
Updated: 16 May, 2023 @ 4:15am

Steamの初期実績(13コ)をコンプしたのでレビュー。
まず推奨スペックがとんでもなく高いがたぶん4K前提の勘定なので解像度下げて低画質設定にすればインテル第四世代オンボードでも動くし2Kモニターならそれで十分綺麗に映る。


基本無料ゲーということで系統で言うと「放置(もできる)ゲー」に分類される。
放置は自分でセットして「電源を切る」手動でセットしないと実行されないのでフルオートではない。放置時間はプレイヤーランクが上がると最大時間が伸びる。
そしてRPG部分とはまた別にコンシューマーに劣る要素がないほど「ガチ」のノベルゲームでもある。執筆時点でパッケージのゲーム1本文以上のボリュームがあると思われる。
立ち絵と3Dモデルはイメージが剥離しないレベルで作り込まれていて、ライブがテーマの一つになっているが安易に3Dに頼らず2Dを使った演出にこだわっているのはさすがの職人魂といったところ。
ソシャゲといえど、これほど「全てが揃っている」ゲームはなかなかお目にかかれないだろう。

そして最近「Kanon」がSwitchでリバイバルされたということもあったが、そのKey(鍵)の15年ぶりの新作ゲームである。
鍵の全盛期はPS2時代(世代)なので、当時鍵のゲームで涙した人はもれなくおっさん以上になっていると思われる。
そして新作のこれはどうかと言われると良くも悪くも「当時と同じノリとクオリティ」である。鍵世代の人には間違いなくささるであろう。

ただ最近の人は「鍵ゲーはパワハラやいじめがあって嫌だ」と捉える人もちらほら存在する。
畳み掛けるようなイジリを快く思わない人が出てきたのはまさに15年の時間の流れである。

そもそも鍵ゲーとは「頭のおかしい主人公」と「色々残念な美少女」が繰り広げる独特の世界観が魅力であり、
「頭がおかしい主人公」が受け入れられたその基礎は90年代のエルフのエロゲ「同級生」などの系譜であり、
もっと古く言うとシティハンターのような男がヒーローとされていた時代の産物である。

ヘブバンは主人公も女性になりゲーム中に男が登場しない世界観になっており、ほんのり百合要素も含まれたりして時代の流れにはのっているが、根本的な部分は昔と変わらない芸風である。
ノベルゲーがキモのゲームなだけに、合う合わないは絶対あると思われるのでそこは仕方がないがシナリオに魅力を感じない人にはやっぱり向いていないと思われる。
世界観としては「宇宙からの侵略者キャンサーの襲撃で地球が滅びかけているヤバい」ということで「特殊な武器を扱える人材を学生兼軍人として招集」それが主人公と仲間たち。という、個人的に「ユルいガンパレードマーチ」というイメージ。
日常では戦争という悲壮感はなく、いつもの鍵の明るいノリでストーリーが進行して、間に訓練や作戦としてRPG部分が挟まれる。


RPG部分もよく出来ておりざっくり説明すると「SFチックに進化した無線の立体機動装置」のようなモノで戦うバトルである。
なので空中からの攻撃がダイナミックに表現されている。
ゲーム内容も中盤あたりからオートだと辛くなってくるので手動操作を求められ、しっかり行動順を決めたりバフを使ったりして戦略を練らないとうまく先に進めなくなるだろう。

ガチャは確かに渋く、石も天井分までためるのにはなかなかの根性が必要だが、無料配布されているキャラクターを限界まで育てれば第3章までは突破できる作りにはなっていると思う。4章以降はさすがにSSキャラが複数いないとキツい。
ただこのゲームはカード単体で強くなるのではなく「キャラのスタイル」という形を取っているので「SS(最高レア)だけではなくS(レア)とA(ノーマル)も重要」で、ようするに同じキャラでもスタイルをたくさん持っているキャラが強くなる。AとSを鍛えると能力とスキルがSSに引き継がれる乗るのでSSを一枚抜いただけではあまり強くなれないのでSも重要である。そしてキャラはやたら多くお目当てのキャラのスタイルだけを引くという行為がガチャ難易度を上げていると感じさせられる。

オススメ無料配布は一章クリアしたら出来るようになるイベントの「テニス」と「金髪忍者」が強いのでこの二人をレギュラーとして育てるのがオススメ。あと主人公のスタイルはAからSSまでミッションこなせば入手が可能。

おまけとして本作には「デレステ」要素がある。ぶっちゃけ6ボタンのデレステまんまである。まあ、デレステは鍵ともコラボしているから多少はね?
バンド活動が1つのテーマでもあり、1イベント1曲のペースで新曲が出てくるのも見どころ。

そしてやはり鍵ゲーなので容赦なく泣かせに来る。明るい世界観からのシリアスそして絶望的に落としてくるので鬱注意。

ドライアイを治療したい人にはオススメ。
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