韓国統一部「かなりの人的被害」 水害前後の北朝鮮写真公開
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2024.08.01 17:22
【ソウル聯合ニュース】韓国統一部は1日、水害に見舞われる前の今年5月8日に撮影された北朝鮮の鴨緑江や威化島の周辺の衛星写真を公開した。北朝鮮メディアが先月29日と31日に公開した同じ地域の写真では鴨緑江の水は濁り、田畑や線路が水に浸かっており、比較することで被害の大きさが確認できる。
威化島北部は鴨緑江の氾濫により、一部区域を除いて全て浸水し、青々と作物が育っていた田畑も消えた。
線路を飲み込んだ水の流れの手前で停車している列車を収めた写真も公開されたが、水害前の衛星写真では耕作地の間に伸びる線路を確認することができる。写真の列車は水害現場を視察するために現地に訪れた金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)の専用列車とみられる。
威化島中心部を撮影した衛星写真では、数百軒の住宅が耕作地に囲まれているが、水害写真では田畑は見当たらず、住宅の屋根の一部だけが見える。
統一部当局者は記者団に対し、韓国側の衛星画像を分析し、正確な被害規模の把握を進めているとし、「相当な人的被害が発生した可能性がある」と話した。
金正恩氏は7月29〜30日に行われた党中央委員会政治局の非常拡大会議で、水害を巡り「容認できない人的被害が発生」したと発言したものの、具体的な被害規模は公開しなかった。