コース: サプライチェーンの基礎

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エシカルなサプライチェーンを作る

エシカルなサプライチェーンを作る

2013 年にバングラデシュで起きた 縫製工場ビルの崩壊は、 グローバルな衣料サプライチェーンの 危険な実態を明らかにしました。 死者 1,100 人以上のこの事故は、 消費者が買っている服の製造国を 気にかけたり、 サプライチェーンパートナーの操業状況を 再点検したりする動きにつながりました。 どんなに良心的な企業でも、 環境や人権に配慮した サプライチェーンの構築や 維持は難しいのが実情です。 消費者や投資家の意向は 無視できないからです。 消費者は、少しでも安価な よい製品を求めます。 投資家は少しでも多くの利益を求めます。 リスクのある行為をやめようとしても、 競合がやめなければ差をつけられます。 これらが仕入先への 圧力となることもあります。 サプライチェーンマネージャーが 仕入先に過剰な要求を繰り返すことで、 従業員の健康や安全を犠牲にする 危険な体制で操業したり、 時には幼い児童まで薄給で 長時間働かせたりせざるを得ないよう 仕向けるのです。 ほかにも仕入先はさまざまな方法で 利益を確保しようとします。 粗悪品や有害な原材料を 使うこともその1つです。 これまでにも、ペットフード、粉ミルク、 玩具の塗料などに有害な成分が 見つかっています。 また、出荷している製品自体は 安全で良質でも、 工場から出る排煙や廃棄物などが、 従業員や地域一帯の環境に 悪影響を与えている可能性もあります。 サプライチェーンマネージャーは、 取引先と協力しながら、 従業員や消費者の安全を守り、 投資家の期待に応えられる操業体制を 構築しなければなりません。 そのための手段として、 社内および取引先を対象とする 倫理規定を定めたり、 監査機関にサプライチェーンの 実態把握を依頼したり、 現地従業員を対象に携帯電話を使った 職場への満足度調査を行ったりと、 さまざまなことが行われています。 ただ、あらゆる手段を尽くしたとしても、 一部の取引先によるルール違反を 完全に取り締まることは 難しいのが現状です。 監査の予定を事前に把握して対策したり、 見つからないように システムを改ざんしたり、 工場を複数階に分け、 監査用にルールを守って操業するフロアと、 監視の目が届かないところで 問題行為を続けるフロアを 作ったりする業者もあります。 見抜くのは簡単ではありません。…

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