持続可能なサプライチェーンを作る

ビジネスにはさまざまな 負の側面があります。 化石燃料を消費して大気汚染や 地球温暖化をもたらすこと、 資源採集のために環境と 生態系を破壊すること、 有害物質、放射性物質、産業廃棄物を 毎日膨大に生み出すこともそうです。 また、こうして作られている製品も、 いつか捨てられて処分場を 埋めつくしていきます。 ビジネスのどの部分が、 これらの主な元凶なのでしょうか。 言いにくいですが、 サプライチェーンですね。 残念な事実ですが、 そこには希望もあります。 サプライチェーンの担い手には、 この世界をよりよいものとする 力もあるということだからです。 しかも、持続可能性を わざわざ掲げる必要はありません。 優れたサプライチェーンマネジメントが、 持続可能な サプライチェーンマネジメントだからです。 優れたサプライチェーンマネジメントには、 調達する原材料を最小限に抑え、 製造量は必要な分だけとし、 リソースの使用も最小限にして、 流通はできるだけ 効率化することが必要です。 これらはどれも、 持続可能なサプライチェーン作りの 要件と一致します。 在庫レベルの圧縮、梱包材や不良品の再生、 荷箱やパレットの再利用、包装の簡素化、 トラックとコンテナの積載率向上による 台数の削減、不良品や事故品を減らす工夫、 再生可能エネルギーへの転換 といった取り組みは、 一流のサプライチェーンマネジメント であると同時に、 地球環境への配慮でもあるのです。 そのようなサプライチェーンは、 安全な製品を生み出し、燃料や原材料の 価格変動に強いサプライチェーンです。 また、環境に配慮したサプライチェーンは、 世界各地の法規制への対処も容易です。 有害なものを出さない工場に、 環境規制は関係ありません。 それ以上に、先進的な取り組みで 将来の環境規制のモデル とされるかもしれません。 あなたの会社が、 法改正への対応に追われるのと、 今後のお手本として 他社に先行するのとでは、 どちらがいいと思いますか。 持続可能な サプライチェーン作りを課されたら、 頭を抱えるより、 既存のサプライチェーンをより強靭で 健全なものにするチャンスだと思って 取り組んでみてください。