コース: 統計学の基礎:確率

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ベイズの定理

ベイズの定理

億万長者はどんな人々で、 その富をどう得たのでしょうか。 さまざまなデータがありますが、 ここでは架空のデータを使います。 ある国の億万長者を最終学歴で分類すると、 こんな割合になりました。 20%が大学院を卒業し、 60%が大卒です。 15%は高卒ですが、 5%は高校を卒業していません。 また、同じ国のデータで、 自力ではなく相続によってその富を得た 人の割合がわかっているとします。 このように、高卒資格がない億万長者は、 40%が相続によって富を得ています。 高校まで出ている億万長者と、 大卒の億万長者は、 それぞれ 20%が相続によって 富を得ています。 大学院卒の億万長者のうち、 相続によって富を得た人は 15%しかいません。 では、自力で富を得た億万長者が 高校を出ていない確率は どれくらいでしょうか。 確率の木を描いて考えます。 まず枝を分けるのが、 それぞれの最終学歴の違いです。 次に、それぞれの最終学歴の枝を さらに2本に分けて、 相続によって富を得た億万長者と、 自力で富を得た億万長者に 区別していきます。 最初の枝の比率と、 次の枝の比率をかけ合わせると、 それぞれの結果の確率を 求めることができます。 わかりやすく、億万長者が 1,000 人いると仮定しましょう。 この 1,000 人に、 それぞれの枝の値をかけてみましょう。 それぞれのカテゴリーに何人の 億万長者がいるかがわかります。 例えば、大学院卒なら、 200 人いることになります。 そのうち 170 人は自力で富を得た人で、 30 人は相続で富を得た人です。 それぞれの内訳から、自力で富を得た 人々の数だけを合計すると、 1,000 人のうち 800 人になります。 この 800 人のうち、 高校を出ていない人は 30 人で、 約 3.8%です。 このように、自力で富を得た億万長者が 高校を出ていない確率は 3.8%であることがわかりました。 ここまではいいとして、 図を描かなくても答えが出る 公式のようなものは ないのかと思う人もいるでしょう。 それが、ベイズの定理のこんな公式です。 一見すると難しそうですが、 意味がわかれば理にかなっています。 左辺は、事象 B が真である条件において 事象 A が発生する確率という意味で、 この問題なら、自力で富を得ている人が…

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