コース: 営業職のためのストーリーテリング2:優秀なセールスが語るストーリーとは

仕事に就いた理由

今の仕事に就いたきっかけは何ですか。 そこには、あなたの人間性を 知るヒントがあります。 伝え方に熱が感じられるかどうかも、 あなたへの好意に影響します。 誰でも、生き生きと働く人と 仕事がしたいですよね。 そのためのストーリーです。 例として、クリスの話をします。 クリスの夢は、コンサル企業の パートナーの座でした。 入社から8年間、 そのために一生懸命働いた彼は、ついに その夢をかなえられることになりました。 4月1日付で昇進と決まり、 その日が来ると、上司のもとを訪ね、 退職を告げました。 耳を疑いますよね。 この人物にいったい何があったのだろうと。 答えは、ネットによる購買合理化システムの パイオニア、アリバを設立した キース・クラッチとの出会いです。 キースはクリスを、設立間もない アリバの営業職に誘ったのです。 その肩書き自体に、魅力はなさそうですね。 クリスは次のように言いました。 父が高校バスケのコーチだった影響で、 幼少期から、いろいろなスポーツに 親しんで育ちました。 ところが就職すると、チームの和や結束感、 力を合わせて勝利を掴むという喜びが 失われてしまいました。 キースも同じ思いだったらしく、 まだ会ってから間もない時、 とても心惹かれる 3つの話をしてくれました。 第1に、全力で、けれども 楽しんで仕事をすること。 自分が欲しかったそんな場を、 一緒に作ろうと言ってくれました。 第2に、アリバが持っている革新的な テクノロジーについてです。 企業間の購買の仕組みを、より速く、 低コストで、信頼できるものにする上で、 当時未開拓だったインターネットの活用に 大きな勝機があること。 第3に、顧客の業績改善を1人で 支援するコンサルタントに対し、 アリバではチームが一丸となって 顧客を支援するという話です。 そしてクリスは、アリバの営業訪問が 通常の営業とどのように違うかを 説明してくれました。 客先には2人から3人で訪問し、 スポーツのように役割を分担するそうです。 前職での出世をあっさり捨てて飛び込んだ スタートアップ企業は、急成長を遂げ、 彼の最良の選択となりました。 クリスがアリバで働き始めた当時、 訪問したある銀行で、応対した 顧客の1人が、彼にその選択の話を 聞いたことを覚えているそうです。 顧客は感動的だった、と振り返っています。 あなたの自己紹介に、顧客が 感動してくれたことはありますか。 ない人も、彼のようなストーリーを 語れるようになりましょう。 あなたが今の会社で、今の仕事をしたいと 思ったきっかけは何でしたか。 その瞬間のことを思い起こして、 ストーリーとして語りましょう。

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