営業のマインドセットとは

30年営業に携わる人も、 昨日から始めたばかりの人も、 日々の成功を左右する一番の要因は 頭の中にあります。 マインドセットです。 最近私は、ある営業担当者から サービスの売り込みを受けました。 「お時間をいただきありがとうございます」 という簡単な挨拶の後、 すぐにセールストークが始まりました。 そのサービスがどう優れ、 いかに最善かという事実の羅列です。 最初の5分で、普通の営業職と 真のプロフェッショナルとの違いが はっきりとわかりました。 その時点では欲しくもなく、 不要なものを売り込まれた経験は、 皆さんあると思います。 押しが強く、自分の話ばかりで、 型にはまった営業です。 本来、営業は重要な専門職で、 営業職なしでは経済は急停止します。 営業担当者は毎朝恐怖で目が覚めます。 拒否や失敗、ノルマを 達成できない恐怖です。 恐れで意識が自分の中にばかり向かい、 そのために顧客の信頼を失い、つながりが 断たれるという思わぬ結果を招きます。 突き詰めていくと、 営業担当者の一番の仕事は、 顧客の課題を解決することです。 しかし私たちが研修で学ぶのは、 必要な答えに相手を誘導する 質問の仕方です。 自社の製品情報、機能や利点を 伝えることが先で、顧客と話す資格、 つまり信頼の獲得は後回しです。 成功を収めている営業担当者は、 3つの「S（エス）」のマインドセットを 持っています。 1つ目の「S」はServant（サーバント）、 奉仕者です。 顧客とその視点を理解するために 何ができますか。 顧客のレンズで世界を見るには どうしますか。 どうすれば相手の立場になって 考えることができるでしょうか。 これを徹底すれば、共感力が高まり、 奉仕者の意識が顧客に はっきりと伝わります。 顧客のレンズを通して 世界を見ることができたら、 2つ目の「S」、Share（シェア）に 到達します。 自分の経験と知識の共有です。 同様の課題を抱えていた ほかの顧客の経験と知識も共有できます。 効果的に奉仕して共有できたら、 3つ目の「S」、Solve（ソルブ）つまり 解決に到達し、支援する資格を得ます。 この順番が重要です。 奉仕し、共有してから、解決するという プロセスによって、 本物の信頼を築くことができ、 顧客があなたに課題の解決を 任せたいと心から思うようになります。…