コース: カスタマーサービスにおける品質基準

2種類の基準

従業員が従うべき品質基準を確立するには、 注意すべき細かな点が山のようにあります。 どこから手を付けたらよいでしょう。 簡単に効果をあげたいものです。 個人向けの品質基準は、基礎的か技能的かに 分類する設定方法が有効です。 基礎的基準では実行の有無を見ます。 客観性と一貫性があり、 誰もが同じようにできる行動です。 したか、しないかで単純に評価できます。 従業員が必要な情報を確認したか、 データを正しく入力したか、 対応を正しく登録したかなどです。 基礎的基準を取り入れると、 すぐに一貫性が向上します。 飛行機の操縦を考えてみます。 操縦は技能の問題に思えますが、 基礎的基準によるところが大部分です。 対気速度や高度が適切か確認します。 着陸時は、リストに従って 着陸装置を作動させます。 基準の設定では、まず基礎的基準を 明確化することをお勧めします。 指定した行動内容の評価は単純に 合格か不合格で、 多くの行動はこれに分類されます。 これに対して技能的基準では、 どう行われたかが評価されます。 評価は主観的になり、通常は3つ以上の 複数段階で評価されます。 工夫や個性が生じ、解釈の余地があります。 話を注意深く聞く、重要な情報を うまく聞き出す、などがあります。 フィギュアスケートのようなものです。 技能的基準では期待内容を明確に示し、 成果は度合いで評価されます。 基礎的基準から取り掛かることを 推奨しましたが、こちらも等しく重要で、 特に顧客との関係構築に大きく影響します。 ブランドの個性が表れる部分でもあります。 求められるサービスの性質を明確に記述し、 教育と指導を通じて全員が同じように 基準を理解できるようにしましょう。 基礎的か技能的かで迷う場合、 どちらでも評価できるサービスもあります。 両方で定義し、評価しても構いません。 アメリカのサウスウエスト航空の例を 紹介します。 乗務員が必要な情報を伝え、 緊急時の案内をするのは基礎的です。 しかし面白味を加えることもできます。 「非常用設備をご案内します。 クイズがありますのでお聞き逃しなく」 のようにです。 この例では基礎的と技能的の併用を お勧めします。 6対4、4対6、半々など 両者の割合を気にする必要はありません。 お客様に提供したい体験に応じて、 割合は変わります。 基準は増やしすぎず、適切なサービスを 提供するための重要事項に絞ります。 基礎的、技能的基準の定義は チームで取り組みます。 明確な品質基準を通じて カスタマーサービスを明確に描くと、 やる気が引き起こされるはずです。

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