コース: プロジェクトマネジメントの基礎

時間とコストを見積る

作業やコストは正確に 見積もることが重要です。 それがプロジェクトのスケジュールや 予算を左右し、 プロジェクトの実施判断にも 関わるからです。 予算か質かで見た場合は 予算の見積もりが低いプロジェクトの方が 承認されることもあるでしょう。 しかし低い予算では期待通りの成果を あげることは ほぼ不可能です。 一方見積もりが高すぎると プロジェクトは承認されないかもしれません。 人は与えられた予算を 使い切ろうとするので 作業時間もコストも かさむ傾向があるからです。 プロジェクトでは 時間とコストを見積もります。 時間の見積もりは スケジュールとコストに影響します。 次に必要な資材や出張費など 時間で換算しないコストを見積もります。 立ち上げと計画の段階では プロジェクトに詳しいメンバーで構成される 計画チームと協力して 最初の見積もりを作成します。 プロジェクトが始まったら実際の 作業担当者から より正確な見積もりを 得ることができます。 担当者はするべき作業と それにかかる時間を経験上理解しており、 自分がたてた見積もり内で 作業を進めようとします。 最初は完璧に見積もる 必要はありません。 プロジェクトの選考段階では -75% の精度で十分です。 計画、および実施段階になると より現実的な数字が見えてくるので -10% の精度が 理想的です。 見積もりに役立つ手法は いくつかあります。 まず過去に類似するプロジェクトがる場合は それを参考にします。 全く新しい分野のプロジェクトの場合は コンサルタントや専門業者など その分野のエキスパートに 協力してもらいます。 係数見積もりモデルは 建築モデルなどの測定値から 作業とコストを見積もる方法です。 この手法は類似する多数のプロジェクトの データがある場合に適しています。 パートという手法では プロジェクトの成果として 最高の結果・最悪の結果・ 最も現実的な結果を想定した 見積もりを出します。 あまり経験のない、または 不確実性の高いプロジェクトに適しています。 問題が起きそうな作業や 順調に進みそうな作業を 考慮するので、より正確に 見積もることができます。 デルファイ法は複数の人の意見や 判断を修練する方法です。 まず数人の専門家に 個別に見積もりを作成してもらいます。 次にその見積もりを 匿名で他の専門家に見せます。 匿名にするのは各自の意見が 他の専門家の地位や権威の影響を 受けないようにするためです。 見終わったら再度見積もりを行い、 この手順を何度か繰り返し、 最後に見積もりの平均値を 最終見積もりとして使用します。 トップダウン見積もりや ボトムダウン見積もりもあります。 トップダウンは大きなプロジェクトや 初期段階の概算見積もりに適しています。 フェーズごと、または主要部分を 見積もってから それを個々の作業に配分していきます。 ボトムアップは 個々の作業を見積もってから それを積み上げて プロジェクト全体を見積もる方法です。 大規模、または複雑な プロジェクトの場合は その複雑さやコミュニケーション・ 連絡・出張・管理などに かかる時間も加えます。 どの程度加えるかの 基準はないので 経験から判断するしかありません。 他の人が見積もる場合は 安全のために多めに見積もっていないか 注意します。 これを避けるには チーム全体で共有できる時間や予算を 別に確保します。 緊急時の対応資金は 期限を守るために 増員が必要な場合などに使用できます。 時間とコストの見積もりは プロジェクトのスケジュールや 予算に影響するため、 できるだけ正確に行うことが重要です。 実際のプロジェクトで どの手法が一番適しているか、 試してから見積もりに 協力してもらう人を決めてください。 また不足の問題にも 対処できるよう経営陣に 予備の時間と予算を 確保してもらうことも重要です。

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