コース: 業績評価を行うには

欠けているものを探す

価値観と目標という指標がそろいました。 すべての価値観と目標を支持する 2、3の指標が確立できたでしょう。 整合性がつくまでもう少しです。 では次の質問です。 3つの主要測定カテゴリーを 支持する指標がありますか。 有効性、効率性、適応性の3つです。 あなたのリストを見てください。 有効性と効率性を測定する指標は、 いくつかあるかもしれませんが、 多くの企業は適応性の測定方法が あまり整っていません。 これら3つのカテゴリーにおける、 ごく簡単な例を見てみましょう。 バスケットボールでは、 有効性を得点で測定します。 効率性はプレーの時間とシュートの数、 適応性はプレイヤーが本拠地で 試合をしたか、遠征試合だったか、 左利き選手と戦ったか、右利き選手だったか で測定できます。 学校に通う生徒だったら、 有効性は成績評価値で測定します。 効率性は受講したコースの数、 学生が勉強した時間で計ります。 適応性は、数学、科学、ライティングの 授業にそれぞれ成績を分けて 測定するかもしれません。 では、コールセンターの オペレーターはどうでしょう。 有効性は受けた注文の数で 測定できるかもしれません。 効率性は勤務時間で計り、 適応性には月々の数値を用います。 例えば、朝のシフトと夜のシフトの数です。 また、2つのカテゴリーの割合を指標として 使っているかもしれません。 例えば、1分ごとのポイント、 1か月の収益などです。 もうひとつ考えて欲しいのがバランスです。 記録する指標の数は あっという間に増えます。 特に測定しようとする目標の数が多く、 3つの測定カテゴリーすべてを 計ろうとしている場合です。 指標を使って多方面から会社を 評価するのは重要ですが、 ひとつの測定カテゴリーで指標が あまりに多すぎると、 物事が実際よりも良く見えすぎたり、 あるいは悪く見えすぎたりするものです。 例えば、有効性の指標は8つあるのに、 効率性の指標はわずか2つだったとします。 従業員は実効性に長けていても、 効率性が非常に乏しいかもしれません。 賢明な人なら指標の違いに気が付いて、 「実効性は優れているが、 効率性で劣っている」と言います。 一方で、「この従業員は優秀だ。 8つの指標で優れており、 劣っているのはたった2つだ」 と言うマネージャーもいます。 バランスの取れていない指標は 誤解を招きます。 まとめましょう。 目標と指標の整合性を確かめてください。 各目標が支持され、各目標の有効性、 効率性、適応性を測定し、最後に バランスの取れたシステムを 確立してください。 これがマネージャーや従業員の誤解を 招かないシステムです。

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