冗長性を見極める

野球は、全世界で知られている スポーツではありませんが、 アメリカでは大人気です。 野球ビジネスでは多くのお金が動きます。 しかし、選手が大金を稼ぐ ほかのスポーツビジネスと同様に、 高額な選手獲得に携わる幹部の仕事は 見た目以上に難しいものです。 何百万ドルも支払う長期契約を結んだのに、 その選手の評価が非常に低かったら、 それはひどい決断だったと言えるでしょう。 野球界ではここ何十年もの間、 KPI が大きな誤解を招いてきました。 簡単に野球を説明しましょう。 球団幹部が 100 年近くもの間 犯してきた間違いが見えてきます。 野球が完全に理解できなくても、 問題はすぐに分かるはずです。 野球では、投手と呼ばれる １人の選手がボールを投げて、 打者という１人の選手が ボールを打とうとします。 うまくいけばヒットになります。 失敗すればアウトです。 ヒットを打った回数の割合が打率です。 打率は打者の KPI のひとつです。 ヒットには４種類ありますが、 最も良いのがホームランです。 伝統的に、ホームランは打者の ２番目の KPI です。 チームはホームインの数で勝ちます。 打者がホームインに貢献するたびに RBI と呼ばれる打点が付きます。 これが最後の KPI です。 これらは何十年もの間、打者の価値を 測定する最も重要な指標だと 考えられてきました。 打率、ホームラン、打点です。 では、問題は何でしょうか。 長い間球団幹部が見過ごしてきたのが、 これら一連の KPI の冗長性です。 どういう意味でしょう。 これら指標のいくつかが重複している、 つまり２回以上数えられていたのです。 あなたの持っている野球の知識を 駆使して、考えてみてください。 ３つの KPI で 最も重複があるのはどれですか。 考えてみてください。 ホームランです。 ホームランを打つと、 ホームランの数が増えます。 ホームランはヒットなので、 打率も上昇します。 ホームランでチームは少なくとも １点獲得するので、打点も上がります。 つまり、この指標システムは ホームランを打つ選手を 過大評価しています。 そこで多くのエージェントは、 契約更新が近づく年になると、 ホームランを打つよう選手に言います。 ホームランは最高のヒットですが、 必ずしも必要ではありません。 ホームランを打とうとすると、…