コース: 業績評価を行うには

企業が測定で犯しやすい間違い

企業はなぜ測定をするのでしょうか。 リソースを活用し、向上したいからです。 優秀な従業員を雇用し、彼らから学び、 苦戦している人を見つけ、 助けたいからです。 動機は良くても、業績評価は 企業を別の方向に導きがちです。 なぜでしょう。 企業が最も陥りやすい過ちを見ていきます。 従業員をプログラム化する企業があります。 人は数字の達成を望む傾向にあるため、 その数字に執着しがちです。 この場合、従業員は 実質的にはロボットです。 言われたことをそのままやるだけです。 品質維持には良いですが、 イノベーションには役立ちません。 優秀な企業が求める人材は、 指示に従うだけでなく、物事を より良くしようとする意欲的な人です。 あなたの指標は従業員を プログラム化していますか。 それとも正しい方向に導いていますか。 向上のために従業員の やる気を駆り立てていますか。 完璧というのは犠牲が 伴うことに企業は気付いていません。 完璧な成績が手の届くところにあると、 人はそのために何でもします。 聞こえは良くても、 実際の完璧な成績には収穫逓減が伴います。 5時間勉強した学生は おそらく試験で 92 点を取るでしょう。 さらに2時間勉強すれば、 95 点まで伸びるかもしれません。 しかし、2時間で3点の価値が あると思いますか。 この2時間で、 学生は別の教科の勉強をしたり、 友人と会い、対人スキルを向上したり、 運動やリラックスしたり、 健康改善に努めることができたはずです。 プラス2時間の勉強は、 下手なリソースの使い方と言えます。 従業員がひとつの評価分野で完璧な 業績を獲得するために頑張りすぎると、 本当に弱い分野を向上させる機会を 無駄にしかねないのです。 まさかと思うでしょうが、 企業は失敗の機会を作るべきです。 企業はイノベーションに 躍起になっていますが、 前進するには優れた業績が鍵です。 多くの場合、決められたやり方に固執し、 リスクを避ける人を評価します。 新しい試みは避けるよう、 従業員に言っているも同然です。 イノベーションを切望するなら、 模索と学びのために従業員が 間違いを犯すのを許す 評価システムを開発すべきです。 失敗の機会を作っていますか。 それとも従業員は間違いを 犯すことを恐れていますか。 ひとつ覚えておくべき大事なことは、 従業員を責めないことです。 中には、従業員の質が悪い、怠け者だ、 手抜きをしている、 が口癖のマネージャーもいます。 大半の人は善人です。 良い物を欲しがり、 上司を喜ばせて昇進や昇給を望みます。 自分と家族の安全と 経済的な安定を重要視します。 その結果、上司を喜ばせるためなら 何でもするのです。 大半の従業員の業績が悪かったり、 システムを騙そうとしていたりしても、 彼らを責めないでください。 彼らの多くは善人です。 彼らの悪い行為の原因は、 あなたの指標にあるかもしれません。 騙す側の立場から 物事を考えてみてください。 従業員の大半は善人ですが、 そうでない人もいます。 彼らはシステムをだます 手段を常に探しています。 会社とすべての善良な 従業員を利用しているのです。 彼らがシステムの欠陥を 見つけるまで待つのではなく、 導入前に、指標を試す必要があります。 システムをごまかす あらゆる手段を考えます。 ごまかしが効かないものを作るのです。 でなければ、詐欺師に対して会社を 無防備な状態にさらしかねません。 さらに、詐欺がばれず、 善良な従業員がこれに気付けば、 彼らも不正をしようと思うかもしれません。 決して悪いことをしたいからではなく、 昇給や昇進、安全を求めるからです。 監督不行き届きの悪い指標は、 優秀な人材がごまかしを 考えるきっかけとなります。 企業革新や人材育成、企業文化さえも、 使用する指標から 大きな影響を受けるのです。

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