コース: カスタマーサービス部門を管理する

サービスの問題の兆候を理解する

カスタマーサービスマネージャーは、 常に問題に気を配っていますが、 兆候に気づくのは容易ではありません。 問題の兆候は、まさに氷山の一角で、 見えていない部分の方が大きいものです。 このレッスンでは、問題が小さいうちに 兆候を見極める方法を学びます。 継続的にサービスを改善するためには 必要なスキルです。 簡単ではありませんが、まず、何ごとも、 単発の事象と考えないでください。 顧客の問題解決に集中していると、 より深刻な問題である可能性を 考えるのは難しいものです。 私の本でも起きたことです。 出版社から最初の数冊を受け取り、 1冊を自分用に保管し、妻に1冊、 両親にも1冊プレゼントしました。 両親を訪ねたとき、 父親が本を見せてきました。 新品の本なのに、 ページが外れてしまっていました。 父親には、もう一冊を 用意すると伝えました。 幸い、「氷山の一角」理論を 覚えていたので、 ほかの本も確認しました。 箱にあった本すべて、 同じページが欠損していました。 単発の事象ではなく、 氷山の一角を見つけたのです。 兆候を見つけたら、次のステップは、 原因を見つけることです。 原因が分からなければ、 問題は再発しますが、 原因を知れば、問題の大きさや影響、 対処法など、 問題をよく理解することができます。 私が、本の問題に気づいたときは、 まず出版社に連絡しました。 すぐに調査をし、本の装丁に 問題があると分かりました。 すでに、印刷会社が問題を修正し、 再印刷をおこなっているということで、 多くの不良品が届くのを防ぐことができ 安心したのですが、 問題は、すでに数冊が顧客に 発送されているということでした。 3つ目のステップは、 積極的に動くことです。 ほとんどの場合、問題は先回りして 解決した方がお金もかからず 簡単にできます。 私の本に関しても、製本の問題がある本を 受け取った顧客に対し、 出版社と協力して対処しました。 顧客が不良品を返品しなくても、 電話をすれば代わりの本を 受け取れるようにしました。 また、それをブログに掲載し、 本を購入したことが分かっている人には 直接連絡しました。 ほとんどの人たちはまだ問題に 気づいておらず、事前に解決できました。 数か月は、本を目にしたら 自分で点検しました。 自分宛てに発送されたものや、 本屋に置いてあったもの、 サインを求められた本などです。 実際自分の手でかなりの数の 不良品を見つけました。 読者はすぐに交換ができ、喜んでいました。 問題の兆候を掴むことの利点を おさらいしましょう。 まず、問題が大きくなる前に 対処できることです。 兆候を見逃したり、無視したりすると、 のちにさらに大きな問題に 対処せざるをえなくなります。 次に、顧客への影響を 最小限に抑えることです。 顧客に影響が及ぶと、 ヘルプデスクに連絡し、友達に伝え、 取引をやめるかもしれません。 兆候に気づいて、問題を解決すれば、 エグゼクティブの最優先事項である コスト削減に繋がります。 問題が少なくなれば、問い合わせも減り、 評判も良くなって、 顧客維持率も向上します。 友人が会社の請求処理ソフトウェアに バグを見つけたのですが、それだけでは、 エグゼクティブは話を 聞いてくれないかもしれません。 でも、5万ドルの問題を 解決できると言えば、 聞いてくれるでしょう。 兆候に気づく価値はそこにあります。

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