コース: データ分析 入門2:基礎知識を応用する

ダッシュボードを構築する

コース: データ分析 入門2:基礎知識を応用する

ダッシュボードを構築する

ダッシュボードの第一の目的は、 組織や部門で何が起きているのかを 一目で把握できるようにすることです。 ここでいうダッシュボードは、 自動車のダッシュボードを イメージすると理解しやすいです。 ダッシュボードは、 車両で何が起こっているかを知るための とてもシンプルなインターフェースです。 ダッシュボードには、 誰もがごく日常的に 使っている部分があります。 それは燃料計で、 この燃料計を見てガソリンの残量を把握し、 ガソリンを入れるタイミングを判断します。 また、タイヤの空気圧や エンジン警告灯のように 車に問題がある時だけ 点灯するランプもあります。 このような情報は、 私たちに次にどんな行動をすべきか 教えてくれます。 データ分析でも ダッシュボードは そのように機能すべきです。 車の裏側では、 ダッシュボードに情報を提供するために 様々なことが行われています。 私たちは、裏側で何が起こっているかを 見ることはできませんが、 最終的な結果は見ることができます。 ダッシュボードを デザインしたことがない場合、 初めてのダッシュボードの作成は 一見難しそうに見えるかもしれません。 しかし、作成してみれば それほど難しくない作業ということが 理解できます。 この章では、ダッシュボードを作るための 手順を紹介します。 まずはダッシュボードに必要なデータを集め クリーニングを行います。 次に実際に使用するかしないかに関わらず 試しに作成する 仮のビジュアルを構築します。 これによって質問に答えるために データを可視化する最良の方法を 探ることができます。 次にサンプルのダッシュボードを作り、 フィルターを通じて ユーザーエクスペリエンスを確認します。 最終段階として、 ダッシュボードを改良して公開します。 最初の内は、 このように作成手順を設けた方が 良いでしょう。 ダッシュボードに 最初のアーティファクトを置く前に データと向き合う時間が必要です。 つまり、データに接続し、 データをクリーンな状態にすることです。 ここでは、Power BI Desktop を使用し Power Query を データを準備するツールとして使用します。 ダッシュボードは、 データを視覚的に表現するもので、 インタラクティブなものです。 つまり何千行ものデータには、 向いていません。 ページ分割されたレポートの方が、 適しています。 初めてダッシュボードをデザインする時、 データを可視化する最善の方法が 分からないかもしれません。 私は実際に使用するかしないか まだ決めていない 仮のビジュアルを作成することで、 これを回避しています。 そして、データについて 最も明確に伝えるビジュアルを見つけたら それをサンプルのダッシュボードに 貼り付けます。 世の中には、 ページ分割されたレポートが溢れています。 PDF や印刷されたものもあります。 また、Power BI Report Builder や SQL Server Reporting Service などの ツールで作成されます。 これらは複数ページのレポートであり 必ずしも双方向な体験を求めている場合は 良い体験とは言えません。 また、ダッシュボードを閲覧する画面が 大きい場合でも、 画面スペースには限りがあります。 そのため、何をどこに配置するかは、 非常に重要です。 ダッシュボードツールは、 ユーザーがデータを探す際に 即座に満足感を得られることを 目的としています。 そのため、ほとんどのデータツールには 様々なフィルターがあります。 ソフトフィルターとは、スライサーや インタラクティブなビジュアルを使って ユーザーが適用するフィルターのことです。 一方、ページや実際のビジュアルに 配置するフィルターは、 ハードフィルターと呼ばれ、 ビジュアルやページに組み込まれています。 どのようなレイアウトに関しても 複雑なサイズ調整や書式の調整は 最後に行いましょう。 調整の際、オブジェクトの配置が 大きくずれることがあるので、 最終調整には 多くの時間を費やすことになります。 細部へのこだわりは ダッシュボードのどこに 何が配置されるかが 決まってからにします。 ダッシュボードを作る時は、 ダッシュボードの目的を 見失わないことが大事です。 この章での目標は、 効果的なダッシュボードを構築するのに 役立つ手順を持つことです。 ダッシュボードは、 意思決定者や情報を必要としている人に 洞察を与えるものでなければなりません。

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