コース: 満足度を高める顧客サービステクニック

観察力を高める

顧客サービスに必要なのは 目配りが利くことです。 先回りの問題解決や助けを必要とする顧客に 気付けるかどうかが重要ですが 人の目は細部を 見落とすことが良くあります。 このレッスンでは その仕組みと回避方法を説明します。 その前にマジックをお見せしましょう。 6枚のカードから 1枚だけ選んでください。 他のカードがぼやけるぐらい 選んだカードをじっと見つめてください。 今からカードが消えます。 選んだカードを覚えていてください。 覚えましたか。 頭の中に思い浮かべてください。 今から選ばれたカードを予想して そのカードを消した状態で ふたたびカードを戻します。 うまくいくでしょうか。 あなたが選んだカードが消えていませんか。 トリックにすぐに気づいた人はすごいです。 なかなか気づく人はいません。 では種明かしをしましょう。 グループ1と2では、カードが違います。 どのカードを選んでも 後に表示したグループにはありません。 このトリックに気づかないのは 非注意性盲目という働きのせいです。 あるものに集中しすぎると 他のものが周囲に溶け込んでしまうのです。 具体例をあげましょう。 ホテルに早く到着しました。 部屋の準備が整うまで 30 分ほど待つ様 フロントで言われました。 準備が整ったら知らせると言われたので フロントの真正面に座って待ちました。 45 分ほど待ってから 待ち時間が長過ぎると フロントに言いに行きました。 実は私のことが忘れられていたのです。 目の前に座っていたにもかかわらずです。 先ほどのマジックと同じ原理です。 仕事にぼっとうしていたのです。 電話対応やチェックイン処理 同僚のヘルプ、パソコン入力など のめり込みすぎて 手元にあるもの以外は 視界から消えていました。 非注意性盲目は誰にでも起こります。 日々の業務には 顧客の最重要ニーズを 見落とす要因が多くあります。 非注意性盲目は克服できるのでしょうか。 対策はあります。 まず優先順位をつけます。 常識にも思えますが、集中力は厄介です。 何かに集中していると 顧客への注意がおろそかになります。 集中する対象を変える方法もあります。 時折、今の作業から少し離れ 自分を必要としている人がいないか 確認します。 フロント係は定期的に ロービーを見回していれば 待っている私に気づいたはずです。 最後に夢中になって視野を狭めないよう 時には別の作業をしてみることです。 複雑な問題に対応しているときは 一旦離れて他の顧客にも目をむけてみます。 視野が狭くなる危険は誰にでもあります。 意識し続ければ避けることができます。

目次