コース: InDesign 基本講座:文字組版・表組・印刷入稿

行取りと段落行取りを設定する

InDesign のドキュメント中の 段落に対する書式設定には 様々な機能が用意されています。 その中のひとつ、行取りという機能は 見出し行などに設定する便利な機能です。 それでは、確認してみましょう。 サンプルファイルは 01 フォルダの中の 01_01.indd というファイルを開きます。 このファイルの左側のページでは サンプルが表示されています。 縦組みのフレームグリッドの中で 本文行の3行分の中央に見出しが 配置されています。 このように本文行何行分の中央に 見出しを配置したいというときに使うのが 行取りと呼ばれる機能で、 この例の場合ですと、 3行取り中央という言い方をします。 また、横組みの場合でも、 この下側の例に見られるように 2行取り中央の設定で 本文行2行分の中央に 配置された見出しが確認できます。 これらの設定を右側のページの サンプルデータで行ってみたいと思います。 まず、この左側の下にある フレームグリッドの中の カラーのついた見出し行に対して 設定をします。 この見出し行のどこかに カーソルを置きます。 段落に対する設定を行う場合には、 改行マークまでを1段落と考えていますので その途中にカーソルがあると、 段落全体に対する設定となります。 現在すでに2行取りになっているという ふうに見えるわけなんですが、 InDesign は本文よりも大きな文字の 設定を見出しに対して行うと 自動設定によってこのように 2行取りになることがあります。 しかし、前後の文章の流れによっては、 必ずしも2行取りになるとは 限らないため、 正確な設定を行うことが望まれます。 それでは、設定してみます。 まず、カーソルを置いたら 画面右側、ワークスペースは テキスト編集にしておき 段落パネルをクリックします。 段落パネルの中の左側で 「自動」と出ている項目の部分が 行取り設定です。 右下のポップアップを表示するように してみると、 ここでは、1行取りとすると 1行の中央に見出しを 置くようになります。 また、2行取りとすると 2行の中央に、 3行取りにすると3行の中央、 そして、4行取りというように、 本文何行文の中央にこの段落の文字列を 配置するかという設定であることが わかります。 今回3行取りにしてみます。 さらに右下のフレームグリッドの中の 見出し行についても 確認してみます。 カーソルをこの見出し行に入れてみると、 ここでも3行取りの設定が されているんですが、 見出しの文字列が1行で収まりきらず 2行に跨がっていると、 ご覧のように全体では6行使ってしまって いるんですね。 このようなときに使うのは、 段落行取りと言われる機能です、 それでは、段落行取りの設定を 行ってみます。 段落パネルのパネルメニューから 「段落行取り」を選ぶと 段落の文字列すべてが 3行の中央に配置されるように 変更されました。 このようにひとつの段落の中でも 行長を跨ぐような長い文章の見出しに なっているときには、 段落行取りという機能を使います。 さらにこの段落行取りでは、 長い見出しの中でも 可読性を考慮して途中で 改行したいということが出てきます。 例えば、「世代で異なる」というところで 改行したようにみせたいという場合、 通常の改行にしてしまうと そこまでがひとつの段落とみなされるため、 例えば、ここで改行の操作、 Mac の方は return キー、 Windows の方 Enter キーを 押してみましょう。 すると、「世代で異なる」でひとつの段落、 「しかる消費への意識」でひとつの段落と みなされているため、 各々が作業取りになってしまうんです。 一旦ここでは取り消します。 バックスペースで改行を取り消すか、 または「編集」メニューの 「取り消し」によって 元通りにしてから、 このようなときにはどうすればいいかという 方法について操作をしていきます。 この場合には、 このページ上に出ていますように 強制改行というひとつの 段落の中なんだけれども、 画面表示上、そこで行が変わっているような 処理がしたいというときに 使う機能なんです。 この機能はキーボードショートカットでも 対応でき、 Windows の方は Shift キーを 押したまま Enter、 Mac の方は Shift キーを 押したまま Return キーによって 強制改行になります。 この機能自体は「書式」メニュー 下側の「分割文字の挿入」の中にも 「強制改行」という命令がありますので、 こちらからでも同じ命令となります。 今回はこの命令を選んでみました。 すると、ひとつの段落なんですが、 その中で改行のような 表現ができました。 ただし InDesign の場合には 段落の行揃えと言うんですけど、 段落パネルの一番上にある 9つのアイコンの内、 左から4つ目の「均等配置」といって 1行の中で文字を均等に配置するという 設定がデフォルト、 初期設定であるため、 1行目の「世代で異なる」は 文字が均等に配置されてしまって 少し間延びした感じです。 このようなときには 段落パネルで「左揃え」、 縦組みの場合には「上揃え」となる 設定にしておくと良いでしょう。 このように見出しに対する設定では 行取りというのがよく使われる機能の ひとつです。 通常の行取り設定、また段落行取り設定、 さらにはその中で必要に応じて使う 強制改行、これらを合わせて 覚えておくと良いでしょう。

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