コース: InDesign 基本講座:文字組版・表組・印刷入稿

異体字を入力する

日本語には、 同じ意味、同じ読みで、 字体が異なる漢字があります。 これらを、異体字と言います。 人名、地名では、 異体字が使われる場合があり、 これを入力する方法として、 InDesign には、 字形パネルが用意されています。 それでは、確認してみましょう。 サンプルファイルは、 「02」フォルダの中の 「02_01.indd」という ファイルを開きます。 この左ページの上側の、 色のついた文字の 異体字に変更したものが 下側のサンプルなんです。 随分多くの漢字が 異体字を持っているんですね。 それでは、実際に 右側のページのサンプルで 確認してみましょう。 異体字に変更したいときには、 まずその文字を、 文字のツールで選びます。 選ぶと、該当する異体字がある場合には、 下側にブルーのラインが表示され、 候補を見せてくれます。 この候補にマウスポインターを合わせて クリックすると置き換えることができます。 このように、いくつかある中からも 選ぶということができるんですが、 例えば、渡辺さんの 「辺」というのを選んでみると、 非常に多くのものがあることがわかります。 まだあるよというときには、 この三角形のマークが表示され、 クリックすると、 「字形」パネルというのが表示されます。 この字形パネルは、 「テキスト編集」ワークスペースのときに 右側にも表示されますし、 「書式」メニューの中にも、 また「ウィンドウ」メニュー> 「書式と表」の中にも、 パネルを出すための機能は 用意されています。 ここで見ると、随分たくさんの 「辺」という漢字があるんですが、 このように大きな文字にすると、 2点しんにょう、1点しんにょう、 また中の字の向きですね、 点やはらいの向きもよくわかると思います。 これは右下の「ズームイン」を クリックするとわかるんですが、 通常は、ズームアウトされている このぐらいの表示になってるかと思います。 細かい字体を詳細まで確認したいときは、 ズームの機能も確かめるといいでしょう。 さらに、各フォントによって、 保有している異体字の数が異なります。 現在「小塚明朝 Pr6N」 という フォントなんですが、 ここで、メニューの中にある 他のものを選んでみると、 ご覧のように、 保有している字体が少なくなりました。 指定しているフォントによっても、 この収録されている文字の数が 異なるんですね。 ですので、現在の設定されている フォントによって、 選ぶことができる文字数というのは 異なりますよということになります。 このように、設定する中でも、 この右下に候補が出てくるというのは 慣れてくると、 間違えてクリックしてしまうという トラブルにつながることもあるんですね。 そのため、この右下に出てくる候補は、 表示しないでくださいという 環境設定もあります。 環境設定は、Windows の方は 「編集」メニューの下のほうにある 「環境設定」、 Mac の方は、 InDesign メニュー >「環境設定」の 「高度なテキスト」を選んでみましょう。 すると、右下の所に、コンテキスト つまり、右クリックしたときに 表示されるメニューや、 マウスで文字を選んだときに 表示されるリストで、 「選択された文字の異体字を表示」に チェックが入っていますので、 このチェックを外してみましょう。 さらに「OK」ボタンをクリックすると、 選んでいる文字があっても、 ブルーのラインは表示されなくなり、 候補も表示されなくなります。 このように、異体字というのは、 人名地名でも比較的多い、 字体の異なる漢字なんですね。 そして、名簿といったものの印刷や、 また DM、葉書、封筒といったものの 印刷では、必ずといっていいほど 人名、地名が 入力しなければならないわけです。 いろんなシーンでこうした人名地名の 異体字入力が出てまいりますので、 ぜひその入力方法、設定方法なども 覚えておくといいでしょう。

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