コース: 自社のクラウド戦略に持続可能性を取り入れる

クラウドシステムの並列化効率を計測する

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クラウドシステムの並列化効率を計測する

パンデミックが収束し、 空港には再び大勢の人が戻ってきました。 たとえば、ある空港に到着し、 ターンテーブルから荷物を降ろして、 タクシー乗り場へ移動するとします。 1台のカートで1人分の荷物を運ぶのに 1分かかります。 カートが1台しかなければ、10人分の 荷物を運び終えるまでに10分かかります。 このような作業を順次処理といいます。 カートが10台あれば、1分で終わります。 作業を並列化し、最大限まで効率化された 状態です。 赤いカートが1台だけあり、 5人がこれを使いたがった場合は、 赤いカートを5往復させる必要があるため、 運び終えるまでに5分かかります。 リソース、つまりカートは余っているのに、 最大限まで効率化されません。 効率性の違いとは何でしょうか。 並列処理は、効率化で最も重要な要素です。 つまり、同時に利用できるリソースが 多いほど、素早く処理を完了できます。 この並列処理の法則を アムダールの法則と言います。 並列処理の効率は、 ボトルネックの数で決まるのです。 ボトルネックがなければ、 カート10台で10倍まで効率化できます。 5人が赤いカートを使うという ボトルネックがあれば、 リソースを増やしても、 並列処理のスピードは上がりません。 100テラバイトのデータベースにおける SQL処理を例に説明します。 左の図は、順次処理を示します。 通常は、CPU を1台のみ搭載した サーバー1台で行われる、 最も低速の処理です。 カートが1台の場合に匹敵します。 中央では、 一部の処理が並列化されています。 複数のサーバーを使って、 さまざまな処理を行っていますが、 ある処理のみ並行化されていません。 数テラバイト分のデータとなると、 大きなボトルネックです。 赤いカートの例に似ています。 リソースは余っており、 まだ効率化の余地があるのです。 右の図は、最大限まで並列化された、 最適な状態です。 最速で処理できており、 さらに高速化するには、 インフラの拡張が必要です。 このように、処理を並列化するほど、 システムの処理力が上がります。 このレッスンでは、ソフトウェアの ボトルネックを解消すれば 効率化されることを説明しました。 効率化により、1ノードあたりの 処理量が増え、処理速度が上がるため、 電力消費も抑えられます。 次は、ビジネスにおける 二酸化炭素排出量の意味を説明します。

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