偏見を取り払う

うまくできていることと、 改善点の両方のフィードバックを 受け取ったとします。 うまくいっていることよりも、 改善のためにすべきことのほうに こだわってしまうのはなぜでしょうか。 人の心理は、ネガティブなフィードバックに 注目するようにプログラムされており、 ネガティビティバイアスを持っています。 人間の脳には、ネガティブな刺激と ポジティブな刺激に反応する 別のシステムがあり、 ネガティブな経験を検出する部分は、 そのために3分の2のエネルギーを 使用しています。 一方、ポジティブな経験を処理するために 使用するエネルギーは3分の1です。 脳が悪いニュースを探し始めると、 その情報はポジティブな経験よりもずっと 素早く長期記憶に保存されます。 これは、危険にさらされている時には 本当に役に立つシステムです。 石器時代を想像してください。 人間は、危険を警戒する必要がありました。 肉食動物や外敵、異常気象などです。 このプロセスが役に立たないのは、 パフォーマンスを改善しようと しているときです。 サバイバルモードではなく、 成長モードだからです。 誰かにフィードバックを提供する時、 何が起こるか考えてみましょう。 改善のための助言と、 とてもうまくできたことを並べると、 多くの人は改善のための助言に 注意を向けます。 重要なのは、ポジティブまたはネガティブな フィードバックのバランスです。 調査によると、 パフォーマンスが高いチームは、 1つのネガティブなフィードバックを 中和するために、 6つの良いフィードバックを 使うようにしているそうです。 ポジティブなフィードバックだけを 提供すべきいう意味ではありません。 発言の内容と提供の仕方が 重要になるということです。 ネガティビティバイアスを克服するための ヒントは、フィードバックを行う際に、 うまくいったと認識していることと、 パフォーマンスの改善につながる領域だと 思っていることとのバランスを 考慮することです。 上手にバランスをとります。 ただし、サンドイッチのように、 ポジティブなフィードバックの間に ネガティブなフィードバックを 挟み込むことはやめましょう。 これは、ネガティブなことを隠したり、 ひとまとめにするために 使われてきた方法です。 より望ましいのは、うまくいったこと、…