コース: 財務の基礎

リスクフリーレートとは

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リスクフリーレートとは

[ケイ]一旦ベータから離れて、 リスクフリーレートの説明をします。 これも、資本資産価格モデルの 重要な要素です。 世界中で最も信頼のおける組織に1ドルを 融資するよう頼まれたとします。 どんな組織かわかりませんが、とにかく 世界中で最も信頼のおける組織です。 確実に返済してくれます。 この場合、どれくらいの金利で 融資したらよいでしょうか。 これはリスクフリーの融資です。 いくつかの理由で、 金利はゼロにはなりません。 まず、インフレの可能性があります。 今後1年間で、物価水準が 数パーセント上昇する可能性があります。 そのため、少なくとも、 予想されるインフレ率を 金利に組み込む必要があります。 また、お金の時間的価値があります。 キャンディの話で説明しましょう。 私の孫の1人に参加してもらって、 面白い実験をします。 孫に、ある提案をします。 ここにキャンディがあるけれど、 このキャンディを今欲しいか、 1年後に欲しいかと尋ねます。 孫はどう答えると思いますか。 今欲しいと答えるでしょう。 子供はキャンディの時間的価値が 分かっています。 今もらうキャンディは、 1年後にもらうキャンディよりも 価値があります。 お金でも同じです。 今の1ドルは、 1年後の1ドルよりも価値があります。 ですから、今1ドル貸すとしたら、 リスクがなくても、1年後に 少し上乗せして返してもらうのです。 投資におけるリスクフリーレートは、 お金の一般的な時間価値と、 予想されるインフレ率を 組み合わせたものです。 時期によっても異なりますし、 同じ国でも常に同じとは限りませんが、 過去50年から70年を振り返ると、 どの国でも5%程度になっています。 これは近似値です。 インフレ率が低い時は5%を下回り、 インフレ率が高い時は、5%を上回ります。 リスクフリーレートについて考える時は、 この数値を念頭に置いてください。 5%は優れた近似値です。 覚えておきましょう。 5%です。

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