コース: 財務の基礎

予測財務諸表とは

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予測財務諸表とは

財務諸表は、予測財務諸表の 作成にも使用します。 会計の構造を使って、将来の 大まかな予測を立てることができます。 特に、予測財務諸表を使って、 将来の資金調達の必要性を把握できます。 借入れ、または株主やパートナーによる 新たな投資が必要かどうかわかります。 予測財務諸表の基となる、 シンプルな考え方を説明します。 ウォルマートの売上高が 20%増えると、 ほかに何が増えるでしょうか。 売上原価です。 より多くの商品を販売するには、 より多く仕入れる必要があるため、 売上原価が増えます。 売上を高めるにはより多くの従業員も 必要ですから、 賃金が増加します。 光熱費も増加するでしょう。 売上高が増えると、 自ずと増える費用があるのです。 貸借対照表について言えば、 売上高が 20%増加すると、 当然より多くの現金が必要になります。 在庫も増やすことになり、 サプライヤーへの買掛金も 増加するでしょう。 つまり、売上高の増加にともない、 いくつかの財務項目の額も増加します。 一方、売上高の増加によって 必然的に増加しない項目も、 長期計画上は増加するでしょう。 たとえば、売上高が 20%増えたことを 銀行が聞きつけて、 融資を追加することはありません。 こちらから新規融資の 交渉を行う必要があります。 長期計画上、増加する項目もあれば、 選択の結果、増加する項目もあります。 借入れをするかどうか、 配当金を支払うかどうかは、 財務上の選択です。 次に、損益計算書の減価償却費を考えます。 減価償却とは、建物、機械、設備が 1年にどの程度消耗するかの見積もりです。 この額は、売上高ではなく、 建物、機械、不動産、工場、 設備の状況に関係し、 支払利息は借入額に関係します。 法人所得税費用は、課税所得と 所得税率に基づいて算出されます。 これらを考慮して予測に使用できます。 ポイントは、財務諸表の数値には、 いくつか体系的な関係性があることです。 必然的に、あるいは意思決定によって 増加する項目があります。 これらの関係性を利用して、計画に基づき、 次の年を体系的かつ定量的に予測できます。 このように、予測財務諸表は資金調達の 必要性を判断するのに役立ちます。

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