コース: 財務の基礎

資本予算の策定の概要

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資本予算の策定の概要

資本予算の策定とは、 固定資産の購入を決定することです。 資本とは、固定資産を購入するために 企業が得た融資を表す言葉です。 予算の策定とは、購入する資産に対して 得られる利益を数値的に計画することです。 固定資産の購入には多額のお金が かかるため、 最初の現金支出が重要になります。 間違った決定を行うと、 その後の経営に苦労する危険性があります。 また、資本予算による支出によって 固定資産に縛りつけられ、収益に 長期的な影響が生じる可能性もあります。 固定資産は長期間保有するものです。 間違いを犯すと毎年苦しむことになります。 資本予算の策定が重要なもう1つの理由は、 固定資産の購入は 元に戻すのが難しいことです。 資本予算策定の 決定プロセスの例を話します。 フランクリン餃子店は新しい 餃子マシンの購入を検討しています。 マシンの価格は1万ドルです。 10 年後には使わなくなる予定ですが、 中古品として売却が可能で、中古市場での 価格は 1,000 ドルと 見積もられます。 新しい餃子マシンを導入すると、営業費用を 年に 700 ドル削減できるほか、 餃子の製造個数が年に1万個増加します。 餃子1個あたりの利益は 10 セントです。 つまり、利益が 年に 1,000 ドル増加します。 最後に、リスク調整後の 資本コストは 16%になります。 ここで問題です。 フランクリン餃子店は 新しい餃子マシンを買うべきでしょうか。 資本予算策定に関連する キャッシュフローの分析を見てみます。 最初のコストは、資金支出の1万ドルです。 10 年後に中古マシンを売却すると、 1,000 ドルの資金収入になります。 また、営業費用が 年に 700 ドル削減されることが 見込まれるので、 営業費用の節約によって浮く費用は、 10 年間で合計 7,000 ドルになります。 生産能力の向上もあります。 10 年にわたって 利益が年に 1,000 ドル増加します。 計算します。 マシンの購入に1万ドルかかります。 中古マシンの売却により、 1,000 ドル入ります。 10 年間にわたって、 年に 700 ドル節約でき、 利益が年に 1,000 ドル増加します。 いい数字になりそうです。 マイナス1万ドル、 プラス 1,000 ドル、 700 ドルが 10 年で プラス 7,000 ドル、 1,000 ドルが 10 年で プラス1万ドル。 10 年間で、8,000 ドルプラスの キャッシュフローになります。 これで終わりでしょうか。 何か忘れていないでしょうか。 そう、初期投資の1万ドルで、 ほかに何ができたでしょうか。 リスク調整後の 資本コストは 16%でした。 これは、期待収益率とも考えられます。 年利 16%の投資が ほかにあるかもしれません。 お金の時間的価値も 考慮する必要があります。 ここでは詳しい計算は行いませんが、 利率が 16%の場合、 餃子マシンは買わないのが正解です。 10 年間使う餃子マシンを 買うかどうかのような長期的決定を 下す際には、 お金の時間的価値も 検討する必要があるのです。

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