コース: 財務の基礎

公開株:株価に影響を与えるもの

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公開株:株価に影響を与えるもの

株式市場での株の価格は 誰が決めるのでしょうか。 考えてみてください。 1ガロンのミルクの価格、 1ガロンのガソリンの価格、 住宅の販売価格は誰が決めるのでしょうか。 市場での価格は誰かが 決めるものではありません。 市場では、買い手と売り手の 相互作用によって価格が決まります。 価格が低すぎると、 買い手が市場にあふれます。 売り手はすぐにそれを察知して、 価格を上げようとします。 価格が高すぎると、売り手が市場にあふれ、 買い手が選択できるようになります。 価格を下げないと買ってくれません。 市場における人間の相互作用によって 情報が集められ、売り手と買い手の双方が、 適正な価格であると納得するまで 価格は変動します。 これが、ミルク、ガソリン、住宅などの 価格が自由市場で決まる仕組みです。 株の価格もまったく 同じプロセスで決まります。 売り手と買い手の両方が、情報に基づいて 適正な価格であると 見なした時に取引されます。 この取引価格は、その時点での 市場株価と見なされます。 何が株価を変動させるのでしょうか。 新たにもたらされる情報です。 企業の今後の売上高や純利益、 経済の全体的な動向、業界関連の出来事、 政治の安定性や投資者の 信頼に関する最新の情報です。 潜在的な買い手と売り手がこうした新情報を 検討し、それがすぐに株価に反映されます。 良いニュースなら株価が上がり、 悪いニュースなら株価が下がります。 活発な市場では、新しい情報が 急速に取り入れられます。 たとえば、ニューヨーク証券取引所や ナスダックで取引される企業の場合、 わずか数分で、新情報が 株価に反映されます。 上場のメリットの1つは、 資金を調達しやすくなることです。 世界中の投資家に向けて、 現金と引き換えに株を発行できます。 また、公開株であれば、株主が株を 売却できる流動性の高い市場があります。 たとえば、報酬の一部として株を 受け取った従業員は、それらの株を容易に 現金に変えることができます。 また、企業の評価を 上げるメリットもあります。 世間から絶え間ない審査を受けると 決めた企業は、それを切り抜けるために、 平均を上回る業績をあげるでしょう。 株を公開すると、メリットだけでなく、 デメリットもあります。 株を上場すると、規制が強化されます。 政府機関に監視されるようになります。 財務報告書を提出する義務が生じ、 それらの報告書は公開されます。 上場企業は多くの人の監視の 対象になります。 経営に長期的視点を 取り入れにくくなる可能性があります。 次の四半期の利益にばかり 目が行くかもしれないのです。 もう1つは、創設者が会社を コントロールできなくなる可能性です。 新しい株主は、経営について異なる考えを 持っているかもしれません。 このように、上場にはメリットも デメリットもあります。 世界の企業の大半は上場していません。 たとえばアメリカの場合、上場企業は 4千社ほどですが、上場していない企業は 1,500 万社ほど存在します。

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