コース: 財務の基礎

ベータ:例

コース: 財務の基礎

ベータ:例

ベータの実例を説明します。 失業の心配や、景気が悪くなりそうな 気配があったら、 新車を買おうとは思わないですよね。 しかし景気が持ち直すと、 多くの人が購入を検討します。 累積需要があるのです。 これがベータ値の高さに反映されます。 バンクオブアメリカのような銀行、 特に大手銀行は、よりリスクの 高い活動に携わります。 銀行はデリバティブや、債務担保証券、 不動産担保証券を取り扱っています。 魅力もありますが、怖い商品でもあります。 実際に怖いものです。 経済が広範囲で好調な時は、 バンクオブアメリカなどの 大手銀行の業績も好調です。 経済が低迷すると、銀行は直撃を受けます。 大ダメージです。 ベータリスクの高い業種なのです。 経済が少し上向きになると、 見通しが大幅に好転します。 次は、ベータ値が1に近い企業です。 グーグルやマイクロソフト、 アップルはすべて、ベータが1程度です。 経済におけるテクノロジーの重要性が 反映されています。 こうした企業の経営状況は、 世の経済をほぼ反映しています。 経済が好調だと業績も好調で、 経済が低迷すると、業績も下がります。 これらの企業のベータ値は1程度です。 ではベータ値が低い企業は どんなところでしょう。 ベータ値がかなり低いのは マクドナルドやウォルマートです。 これは、経済が低迷していても、 人々は衣類や食料品を 買う必要があるためです。 経済状況に関わらず、 これらの商品は必要です。 経済が上向いた時も、 必要な量はほぼ変わりません。 経済が好調でも、急にビッグマックが 5個必要にはなりません。 そういう人もいるかもしれませんが、 このような企業の業績の変動は、 経済状況とはほとんど無関係です。 幅広い経済の影響をほとんど受けない企業 として、アルトリア社もあります。 以前はフィリップモリスという名前でした。 タバコを販売しています。 経済が低迷しても、 喫煙者はタバコを買い求めます。 経済が上向いた時も、 ほぼ同じ量のタバコを買うでしょう。 ベータ値が低い企業とは、 幅広い経済動向の影響を あまり受けない企業です。

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