コース: 財務の基礎

債券市場とは

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債券市場とは

債券にはさまざまな種類があります。 国が発行する国債は、 ソブリン債とも呼ばれます。 アメリカ政府は非常に多くの債券を 発行しています。 市や州、政府機関が発行する 地方債もあります。 これはサブソブリン債とも呼ばれます。 地方債は地方自治体が お金を借りる手段です。 企業が発行する社債もあります。 世界で発行されている債券の 約 30%が社債です。 資産担保証券と呼ばれる債券もあります。 これは興味深いもので、資産担保証券は、 企業の売掛金や住宅のローンなど、 一連の資産が担保になっています。 誰かが、このようなローンや売掛金の 所有権をまとめて、債券を発行します。 この債権は、売掛金の収益や ローンの収益で返済されます。 資産からキャッシュフローを まとめるプロセスを証券化と呼びます。 シンプルで安全な、 非常に素晴らしいものに聞こえます。 しかし、資産担保証券、住宅ローンの 証券化が、2008 年に世界的な 経済不況を引き起こしました。 債券の担保となっていた資産が当初 予想されたほど 価値がないとわかったのです。 ところで、企業借入れは 債券だけではありません。 企業が発行する社債は、 その企業の公的債務と見なされます。 企業借入れの大部分は、 銀行やコンソーシアムバンクからの 直接借入れなど、 個別の取り決めで行われます。 これを企業の民間債務と呼びます。 株と同様に債券にも市場があるでしょうか。 あります。債券市場はありますが、 社債の取引の大部分は店頭取引、 つまり個別の取り決めで行われます。 債券を売りたいと思ったら、ディーラー、 仲買人、または投資銀行に買い手を 見つけてもらい、直接取引します。 これを店頭取引と呼びます。 なぜ債券は店頭取引されるのでしょうか。 株の場合、アメリカでは、公開株の数は 9千から1万株程度で、 1つの企業の株はすべて同じです。 つまり、1つの企業の株は みな同一の商品です。 そのため、株は取引きが容易です。 しかし債券の場合、アメリカでは何万もの 企業が債券を発行しているうえに、 それぞれの債権に異なる特徴があります。 1つの会社が複数の債権を 発行している場合もあります。 AT&T社やゼネラルモーターズ社は さまざまな債権を発行しており、債権ごとに 利子、満期日、担保などが異なります。 同じ企業でもさまざまな 種類の債券があるのです。 債券市場は非常に複雑な市場です。 ほとんどの債券の取引は薄商いと 言われており、 取引のない日が続くことがあります。 株の場合、取引の頻度が最も少ない株でも ほぼ毎日取引がありますが、 債券の場合は何日も、何週間も 取引されないことがあります。 そのため、債券では店頭取引の方が 多くなります。 仲買人が売り手と買い手を引き合わせて、 取引について個別に取り決めます。

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