コース: 財務の基礎

加重平均資本コスト(WACC)とは

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加重平均資本コスト(WACC)とは

[ケイ]ここで、加重平均資本コスト、 ワックという重要な要素について 説明します。 これまで見たように、 企業の資本構成によって、 外部からの資金調達のコストが決まります。 資金の半分を貸し手から、 もう半分を投資家から調達する、 3つ目のケースで考えてみます。 加重平均資本コストは、 これら2つの資金源の平均コストです。 貸し手が5%、投資家が17%なので、 これらにそれぞれ半分の重み、 0.5を掛けて、足しあわせます。 平均は11%です。 加重平均資本コストによって わかることがあります。 資金調達にかかるコストです。 企業はワックの値を使って、 さまざまなプロジェクトの魅力を 評価します。 ここまでの 資本構成の4つのケースについて、 加重平均資本コストを算出します。 すべて負債、すべて株式、 負債と株式が半分ずつ、 負債が90%で株式が10%のケースです。 それぞれのケースの加重平均資本コストを 算出するには、負債のコストに 貸し手の融資による資金調達の割合を 掛けたものに、株式投資のコストに 投資家からの資金調達の割合を 掛けたものを足します。 ここでは、3つ目の半分ずつのケースで 加重平均資本コストが最も低く、 11%になります。 資本構成の全体的な目的を考え、 最適な資本構成、 つまり加重平均資本コストが 最も低くなる資本構成を見つけます。 資本コストが低いと、魅力的な プロジェクトが多いことになります。 資本コストが11%の場合、 15%の場合よりも 魅力的なプロジェクトが多く見つかります。 企業財務と資本構成で目標とするのは、 加重平均資本コスト、ワックが 最も低くなる資本構成を見つけることです。

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