コース: 財務部でない人のためのファイナンス

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すべての経費を考慮する

すべての経費を考慮する

製品の価格付けはなぜ難しいのか。 経費を割り出して 値入をすれば済むことですが、 そう簡単にはいきません。 経費がかかり値段を高くすると、 品質やサービスにさほど差がなくても、 競合が安値を付けてきます。 多くは価格受容者なので、 経費をやりくりして、 市場価格で決められた値段から 収益を得ます。 繰り返しますが、 経費を賄うために価格付けはしません。 一定の市価があれば、 利益が出る費用構造になっているはずです。 中小企業の経営者が価格付けで犯す間違いは 市場に参入したときにかかる経費を 考慮しないことです。 市場に参入してシェアを獲得するには、 多少の犠牲を払うのは覚悟のうえです。 しかし、その戦略は長続きしません。 長期戦では、すべての経費を 賄う必要があります。 複雑な構造を単純な例で説明しましょう。 夏なので、かき氷を売ろうと思います。 シロップがかかっていて、 夏にはもってこいです。 かき氷1個につき紙の容器は 平均およそ3セントかかります。 氷代は1個につき2セントです。 これで経費は5セントですが、 シロップもありますね。 1個につき平均で 45 セントくらいでしょう。 つまり経費は1個につき 50 セントです。 暑い夏なら1個2ドルで 販売できると考えました。 ほかの店でも同じ値段で売っています。 1個ドル 50 セントの儲けです。 まるでお金の成る木です。 でもこの時点では 変動費しか考慮していません。 作るかき氷の数によって 変わる経費のことです。 かき氷1個毎の経費は 同じであるということです。 売れた数に直接左右されます。 かき氷が売れるほど 容器も氷もシロップ代もかかります。 一方、固定費はというと、 売れた数に関係なくかかる経費のことです。 例えばかき氷機、装置を置く店舗、 シロップ入れ、 従業員などにかかる経費です。 客が1人でも 100 人であっても かかる経費です。 客数に関係なくかかる経費です。 つまり固定された経費です。 こうした固定費は払うべきものです。 当初、利益だと考えた 1ドル 50 セントは 貢献利益と言われます。 この例の貢献利益は、1個2ドルの 販売価格と 50 セントの変動費の間になります。 貢献利益から固定費を払います。 固定費を払ったら、 その後の売上は1ドル 50 セントの 利益として入ります。…

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