さらに広い視点を持つ

経営判断の原則について、 事例とともに学んできましたが、 ここで、さらに広い視点から、 経営判断というものを考えてみましょう。 経営判断に臨むにあたって 心に留めたいことは、まず、範囲の広さ、 期間の長さ、決定のリスク、 これらのいずれにおいても、 通常の意思決定をはるかに上回る 複雑さがあるということです。 そして、決定に関係する これらすべての要因を 十分に理解しておくことが、全体にとって よりよい決定につながるということです。 もちろん、常に正しい決定が できるとは限りません。 その覚悟は必要です。 決定によっては、 反感を買うこともあります。 人員削減、事業打ち切り、 投資先の見直しなどを決めるのが、 経営判断です。 この種の決定に、会社の命運と、 あなた自身のキャリアを賭けて臨むのです。 判断を誤れば、 自身の将来にも影響が及びます。 それでも、困難に挑戦するのが 真のリーダーです。 リーダーとは、会社のよりよい未来のために 自らリスクを背負って陣頭に立つ存在です。 決定をよりよいものとし、 着実に実行していくうえで、 ここで学んださまざまな原則は、 大きな力となるでしょう。