コース: Microsoft Azureの基礎(AZ-900)試験対策

コンピューティングサービスの概要 - Azureのチュートリアル

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コンピューティングサービスの概要

Azure の最も代表的なサービスが コンピューティングサービスです。 ただしコンピューティングサービスにも いくつかのサービスがあり、 目的に応じて使い分けることが 重要です。 コンピューティングサービスとは コンピューティング環境を実行するための ディスクやプロセッサ、 メモリなどのリソースを提供する サービスです。 具体的には主にこのようなサービスがあり、 このレッスンでは各サービスの 概要について順番に解説します。 Azure Virtual Machines は 最も代表的な laaS のサービスです。 Virtual Machines を略して VM とも一般的に呼ばれます。 このサービスでは Windows または Linux の 仮想マシンを作成して実行できます。 Azure データセンター内には 数多くのラックがあり、 そのラックに格納された各ブレードでは Hyper-V Server が動作しています。 その Hyper-V Server を 「ホスト」と呼び、 そのホスト上に仮想マシンを作成して 実行できるのが、 VM のサービスです。 作成した仮想マシンには インターネットを介して リモート接続でき、 接続後は自由に使用できます。 また仮想マシンの作成時には リージョンやイメージなどの パラメーターを設定したり、 必要に応じて 可用性オプションを構成できます。 仮想マシンの作成時には、 インストールする OS イメージを 選択する必要があります。 イメージは自分で作成したものを使用する他 Azure Marketplace で 公開されているイメージも使用できます。 Azure Marketplace は 仮想マシンのイメージや Azure 上で利用可能な 様々なアプリケーションなどを 取り扱うオンラインストアです。 例えば基本的なイメージとして Windows Server 2019 や Red Hat Enterprise Linux などの OS 単体のイメージがあります。 その他にミドルウェアや 特定のアプリケーションを含む イメージもあります。 例えば SQL Server が含まれるイメージや 特定のゲートウェイ製品や ファイヤウォール製品が 含まれているものもあります。 仮想マシン作成のイメージ選択時には、 Azure Marketplace に アクセスが行われ、 このような画面から 任意のイメージを選択して使用できます。 また仮想マシンでは必要に応じて 可用性オプションを構成できます。 仮想マシンは Azure データセンター内で 実行されますが、 100%動作が保証されているわけでは ありません。 データセンターでの障害や メンテナンスなどによって ダウンしてしまうことが考えられます。 稼働率を高めるための 基本的な考え方として 同じ仮想マシンを 複数作ることが挙げられますが、 それだけでは障害やメンテナンスに強い 構成とは言えません。 なぜならせっかく 複数の仮想マシンを作成しても、 同じラックや同じブレード、 同じデータセンター内に 配置されてしまった場合には 1箇所で起こった障害が すべての仮想マシンに 影響する可能性があるからです。 そのため可用性を高めるには、 適切な可用性オプションを 構成する必要があります。 仮想マシンの可用性オプションには 可用性セットと 可用性ゾーンの2つの選択肢があり、 選択肢によって 対応できる障害の範囲が異なります。 可用性セットは ひとつのデータセンター内での 物理障害に対応できる 可用性オプションです。 同じ構成の複数の仮想マシンを ひとつのデータセンター内の 異なるラックやブレードに 分けて配置できます。 これにより、例えば あるラックでの障害が起きた時でも すべての仮想マシンが 同時にダウンしてしまわないように 構成できます。 可用性セットを構成すると、 99.95%の SLA が保証されます。 例えばひとつのデータセンター内で 5つの仮想マシンの配置先を このように構成できます。 このイラストでは、 5つの仮想マシンは 2つの異なるラックに 分かれて配置され、 ブレードとしては 5つの場所に分かれて配置されています。 これにより一方のラックで 障害が起きた場合でも 一定の仮想マシンは影響を受けないため、 サービスを継続できます。 またあるブレードで メンテナンスが行われたとしても、 他のブレードで実行されている仮想マシンは 影響を受けません。 一方可用性ゾーンは データセンター障害に対応できる 可用性オプションです。 ゾーンとはリージョン内に用意された 個別の電源、ネットワーク、 冷却装置を有する 物理的に異なるデータセンターを 表すものです。 つまりリージョンに存在する データセンターを ゾーンと呼ばれる単位で分割し、 仮想マシンを配置する ゾーンを指定できるのが 可用性ゾーンです。 可用性ゾーンを使用すると、 99.9%の SLA が保証されます。 ただし可用性ゾーンがサポートされている リージョンは限定的であるため、 サポートされているリージョンでのみ、 構成可能です。 各リージョンには 複数のデータセンターが存在します。 例えば東日本リージョンは 実際には東京と埼玉に存在する 複数のデータセンターから構成されており、 可用性ゾーンが サポートされています。 そのため同じ構成の仮想マシンを 複数作る際に VM1 はゾーン1に、 VM2 はゾーン2に というように、各仮想マシンを 異なるゾーンに配置できます。 これにより、例えばゾーン1の データセンターで障害が発生したとしても ゾーン2やゾーン3の仮想マシンは 影響を受けません。 ここまでが VM のサービスに関する 内容です。 Azure App Services は 代表的な PaaS のサービスであり Web Apps と呼ばれることもあります。 Web アプリなどを展開するための アプリケーションサーバーとして 使用できるサービスであり、 Windows ベース または Linux ベースの いずれかを選択可能です。 Windows ベースか Linux ベースかは 選択しますが、 PaaS のサービスであるため OS や言語フレームワークなどの プラットフォームの管理は プロバイダによって行われます。 またアプリで利用する言語も 幅広い選択肢がサポートされています。 例えば .NET や .NET Core、 Java、Ruby などがあります。 コンテナーの分野においては Docker が業界標準として 広く使用されていますが、 Docker コンテナーの実行環境を 提供するサービスは、 コンテナーサービスと呼ばれます。 Docker コンテナーを 実行するための環境を提供する Azure のサービスには、 ACI と AKS という 2つがあります。 この2つのサービスはどちらも Docker コンテナーの実行環境を 提供しますが、 シンプルな実行環境だけを 提供するのか、 コンテナーオーケストレーションを 行うことができる高度な実行環境を 提供するのかという違いがあります。 このように 主なコンピューティングサービスには 仮想マシン、App Services、 コンテナーサービスがあり、 目的に適したサービスを 使用することが重要なポイントです。

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