コース: Microsoft Azureの基礎(AZ-900)試験対策

クラウドコンピューティングの概要 - Azureのチュートリアル

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クラウドコンピューティングの概要

Azure は クラウドコンピューティングのために 活用できるサービスのひとつです。 そのため、 クラウドコンピューティングそのものや 利用するメリット、 オンプレミスとのコストの違いを 理解しておくことが重要です。 クラウドコンピューティングとは、 コンピューティング、ネットワーク、 ストレージ、分析などのサービスを インターネットを介して 提供するものを指します。 例えば、サーバーを動かすための CPU やメモリ、 ストレージなどのリソースを提供したり、 通信のためのネットワークサービスや パフォーマンスの分析を 行うためのサービスなどが挙げられます。 実体はクラウドサービス事業者の データセンターの中にありますが、 サービスとして インターネットを介して提供されます。 また、そのデータセンター内では 仮想化技術が使われており、 仮想的に共有するという形になります。 このようなクラウドサービスを 提供する事業者は、 クラウドプロバイダーと呼ばれます。 代表的なプロバイダーには、 Microsoft、Amazon、 Google などがあります。 先ほどは少しかみ砕いて説明しましたが、 クラウドコンピューティングとは何か といったときに、 NIST での定義が スタンダードに使用されます。 NIST という機関では、 さまざまな用語の定義を行っていますが、 クラウドコンピューティングについては 次の5つの基本特性を挙げています。 つまり、NIST では、 これらの特性を満たすものを クラウドコンピューティングと 呼んでいます。 特性の1つ目が オンデマンドセルフサービスです。 これは、いつもでどこでも、 利用者自身でさまざまな構成が行えることを 指します。 つまり、いちいちプロバイダーに お願いをする必要がないということです。 2つ目が幅広いネットワークアクセスです。 クラウドコンピューティングは、 インターネットなどの 広いネットワークを通じて アクセスができることを想定しています。 一般的なクラウドサービスは インターネット接続さえあれば利用でき、 ブラウザなどを使って 操作や管理を行うことが可能です。 3つ目がリソースの共有です。 プロバイダーのデータセンター内では、 仮想化技術が使われているため、 複数の組織やユーザーで システム資源を共有できます。 4つ目がスピーディーな拡張性です。 これは、状況に応じて拡張や縮小、 あるいは増減が可能であることを指します。 例えば、仮想マシンの CPU や メモリを増やしたり、 逆に減らしたり、 台数の増減もできるといった特性です。 5つ目が サービスが計測可能であることです。 クラウドコンピューティングは、 基本的に従量課金です。 つまり、誰がいつ何を どれくらい使用したかを 計測する必要があるため、 それらを計測できる仕組みを 持っているという特性です。 このように、NIST では これらの5つの特性を 基本的特性としており、 これらの特性を備えているものを クラウドコンピューティングとして 定義しています。 クラウドの利用は オンプレミスでの実装や運用と比較して、 さまざまなメリットを得ることができます。 ここでは、3つの主なメリットについて 説明します。 まず、機敏性、弾力性、 スケーラビリティの特性を備えているため、 必要なときに必要な量だけ展開できます。 例えば、クラウドでは すぐに仮想マシンを展開できます。 また、アクセスが増えても対応できるように 仮想マシンのスペックを上げたり、 台数を増やすなどの対応もしやすいです。 次に、高可用や災害対策、 耐障害性を向上しやすい点も挙げられます。 オンプレミスの状況でこれらを向上するには 高いコストがかかりますが、 クラウドでは簡単に 低コストで構成できます。 最後に、コストの確認や今後の支払いの 見通しが立てやすいという点が 挙げられます。 クラウドでは、現在のコストの確認や 予測を行うことができます。 また、コストを抑えるために システムを縮退させるなどの対応も 可能です。 クラウドのメリットとして、 コスト関連の内容がありましたが、 オンプレミスとクラウドでは、 コストに関して違いが挙げられます。 財務などで使用されるキーワードとして、 ‎CapEx と OpEX があります。 ‎CapEx は資本的支出を表します。 つまり、最初にかかるお金のことであり、 オンプレミスでの実装では 設備投資などを行う必要があるため、 ‎CapEx が多く必要になると 言えます。 一方、OpEx は運営支出を表します。 OpEx は簡単に言ってしまえば 月々の支払いのことであり、 クラウドの利用においては OpEx が必要になります。 利用開始時に多くのコストが 発生するわけではなく、 使った分だけ支払う、 つまり従量課金であるということです。 このように、オンプレミスでの 実装と比較して、 クラウドの利用では初期コストを抑えながら 機敏性や弾力性、高可用などの 特性を生かしてシステムの構築や実装を 行うことができます。

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