コース: DevOpsの基礎

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ITILとITサービスマネジメント

ITILとITサービスマネジメント

DevOps の源流を解説する この章の最後は、 ITIL を含めた IT サービスマネジメント全般について 見ていきます。 DevOps の方法論は、 IT サービスマネジメント、 開発ライフサイクル、成熟度モデルなど、 多様な概念の上に成立しています。 私のチームの Wiki スペースでは、 現在も ITIL の 標準プロセスに基づいて、 変更管理、サプライヤー管理、 インシデント管理などの セクションを設けています。 ただし、これらの導入にあたっては、 リーンとアジャイルの考え方を 適用することも大切です。 標準やベストプラクティスを 重視するあまり、 人をおろそかにしたり 提供価値を下げたりしては 意味がないからです。 私のような古株の IT 技術者と違い、 ITIL になじみがないという方々を 前提に説明していきます。 IT サービスマネジメント、 ITSM は、設計から開発、展開、保守、 運用終了までの適切な管理を目指す ソフトウェア開発ライフサイクルにおいて、 サービス提供も重要である という認識を出発点にしています。 ソフトウェア開発ライフサイクルという 概念が誕生した当初は、 コードの作成についての議論が主体で、 デプロイや保守については触れないか、 付け足し程度の扱いでした。 つまり、ITSM も DevOps の 源流の1つといえるのです。 ITSM の概念を初めて打ち出したのが、 ITSM フレームワーク第1号の ITIL です。 この2つはよく混同されますが、 COBIT など、ITIL 以外の フレームワークも存在します。 ITIL は英国政府の標準です。 1980 年代に、 それまで統一的な方針を決めずに 現場任せになっていた IT 資産管理を 見直すというサッチャー政権の方針から 生み出されました。 こうして、初めてのガイドラインが、 英国政府の IT を所轄する機関から 1990 年前後の数年間で 発行されました。 ITIL の初版は、英国以外の国や 民間でも高く評価されました。 それを受けて、2001 年に発行された 第2版は、 こうした幅広い利用者を想定して作られ、 2007 年に第3版、 2019 年に第4版が出ています。 プロセスモデルをベースにした サービスの制御や管理が特徴で、 これは計画、実行、評価、改善のサイクルを…

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