プライミングでプレゼンスを高める

陸上 400 メートルリレーの世界記録は、 100 メートル走の世界記録を ４倍したものより、常に速いタイムです。 それは、２走目以降の走者が トップスピードでバトンを受け取れるよう、 助走をしているからです。 100 メートルの起点から 全速力に近いので 大きなタイム差になります。 あなたもこうした助走を、 エグゼクティブプレゼンスの ４要素に行いましょう。 心理学でも広く実証されている、 プライミング効果を利用します。 プライミング効果とは、 一定の連想に結びつく画像、単語、 音などに接すると、 その後の行動が影響されることです。 これを使って、４つの要素を活性化します。 まず、よりよい未来を切り開く 熱意を高める方法です。 こんな実験があります。 女性被験者に満場の聴衆の前で スピーチをしてもらいます。 一部の回だけ、会場内には 世界的に活躍する 女性リーダーたちの写真が飾られています。 その結果、第三者の評価、話す時間、 本人の感想で、写真あり群が 写真なし群を上回りました。 この研究を応用して、 あなたも、手本と仰ぐ人物を 思い浮かべてみましょう。 思考パターンのプライミングには、 偉人たちの映像を 『シンク・ディファレント』 というメッセージに乗せた Apple の CM が効果的です。 創造性のテストで、 事前にこれを見た被験者は 点数が高くなりました。 思考を変えようと促されると、 本当に変わるのです。 自分、ほかの人々、 物事のやり方、 これらについての思考パターンから、 強化したいひとつを選んでください。 本番の前にこの CM を見たり、 理想的な考え方を促してくれる映像や 言葉に触れたりする時間を作りましょう。 心のあり方のプライミングは、 会合などの前に、あなたの最高の気持ちや 入口となる感情を改めて 思い起こすことです。 あなたの気持ちを高める標語、 偉人の名言、動画や音楽なども 活用できます。 試合前にヘッドホンで音楽を聴く 代表選手が多いのも、 大きな重圧がかかる試合を前に、 すくんだり集中が削がれたりしないよう、 心の状態を整えているのです。 望ましい状態にプライミングしましょう。 行動パターンのプライミングは、 思考や心の状態が変わると、 自然にできていきますし、 逆もまた起こります。 行動を少し前向きにすれば、…