コース: エグゼクティブとしての振る舞い方を身につけるには

前向きな心構えを作る

重要な局面で高いプレゼンスを 発揮するには、心構えが重要です。 マザー・テレサは、 揺るぎない強さを持ったプレゼンスと、 相手が世界の首脳でも貧しい人々でも 変わらない目的意識のお手本です。 彼女が目指したのは、愛と平和の未来です。 理想の心構えを語った、 マザー・テレサの有名な言葉があります。 短い一言に、自分が関わる すべての人々の心を理想の未来に 導きたいという意志が感じられます。 「平和は笑顔から始まる」という言葉です。 あなたの理想は異なるとしても、 この言葉は、 高いプレゼンスが求められる場面で 感情を整えることが いかに重要かを教えています。 どんな仕事や活動でも、 ベストな感情の状態で臨みましょう。 どんな目的であってもです。 前向きに、安定した心構えで始めましょう。 マザー・テレサの言葉からは、 目標のためならどんな活動も 喜びになることが伝わってきます。 意味のあることをしているという自覚は、 気分を高めてくれます。 すばらしい目標に近づいている、 深い信念に照らして意義のある 活動をしていく、という気持ちで、 何事にも取りかかりましょう。 ここで手法を紹介します。 まず、あなたが理想とする未来へ 大きく前進できている時に感じる思いを、 言葉にしてみましょう。 その思いをどう表現しますか。 さまざまな人に聞くと、 このように表現されます。 充実感、やりがい、誇り、自信、高揚感、 有用感、力をもらう、励まされる、生産的、 達成感、感謝、感動、などです。 あなた自身の言葉でかまいません。 それが目指す境地です。 その言葉が表す 最高の気持ちを目指すのだと、 あなたの意識にしっかり刻みましょう。 心の目標値が明確になったら、 次の作業に進みます。 プレゼンスが問われる状況に向かう前に、 次の2つを意識しましょう。 その活動があなたの熱意にどう関係するか、 そして、理想に向かっている時に 感じる思いです。 これらを標語のように内心で唱えれば、 前向きな気持ちで扉を開けられます。 誇りを感じたい人は、 「この機会に臨めることは誇りだ」と唱え、 今から始まる仕事が自分の理想に 寄与していく様子を言葉にしてみましょう。 前を向ける言葉はその反対に勝る上に、 何より真実だからです。 自分に唱えながら、 思い出し、感じ、信じましょう。 これまでに理想に近い仕事ができた時の 経験や感情を、できるだけ具体的に たくさん思い起こせば、 さらに効果的です。 常に書き出して保存していけば、 あなたにとっての真実であることを示す、 動かぬ証拠ができます。 その価値は無限です。 最高の境地になった経験を 数多く思い出すほど、 その境地にもっていきやすくなります。 その思いにアクセスしましょう。 今の例では誇りでしたが、 あなたの感じる思いで実践しましょう。 多忙や重圧のために忘れかけても、 ほんの一瞬あれば心は切り替えられます。 ここで説明した手法は、 感情がよくも悪くも伝染することや、 会合の初めの感情が 会合そのものの展開を左右することを 実証した研究に基づいています。 心のリーダーシップは有効です。 「平和は笑顔から始まる」と言った マザー・テレサは、 世界に愛と平和をという遠大な目標を掲げ、 常に多くの事業や要望に追われていました。 それでも彼女は、 どんな人とも笑顔で会うことを心がけ、 笑顔になることで心の状態を リセットする大切さを、 絶えず自分に言い聞かせていたのです。 あなたの標語も、 繰り返し唱えて実践するほど力を発揮し、 苦しい時の支えになります。 最高の経験は決して消え去らないからです。 次もマザー・テレサの言葉です。 「愛は加減をしない。ただ与える」。 あなたの最高の状態も同じです。 引き出すほどに出てくるのです。

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