データサイエンスのベン図

「全体が部分の総和に勝る」という例は、 さまざまなところで見ることができます。 音楽の分野では、ジョン、ポール、 ジョージ、リンゴという、 それぞれに才能ある４人が、 ビートルズとして結集したことで、 ポップカルチャーを一変させる ムーブメントになりました。 人々のつながりにおいても、 友人知人の関係にインターネットが加わり、 ソーシャルネットワークが発達したことで、 コンピューティングのあり方が 様変わりしました。 2013 年、ドリュー・コンウェイが 発表した「データサイエンスのベン図」は、 ハッキングつまりプログラミングの力、 数学と統計学の知識、 専門知識を統合することで、 従来の IT と経営のあり方を一変させる 新たな分野としてデータサイエンスを 位置付けました。 データサイエンスのベン図を構成する ３つの要素について、 それぞれの重要性を見ていきましょう。 第１の要素であるハッキング能力、 プログラミング力は、 SNS などの新しいデータソースを 扱うために不可欠です。 SNS にアップされたグラフデータや、 画像、動画のようにスプレッドシート形式に 収まらないデータ、センサーデータや ウェブデータのように高速で生成を 続けるストリーミングデータなど、 従来の方法では扱えない フォーマットのデータが増えています。 このようなデータを自在に扱うには、 ハッキングを得意とする人々のように 独創的なアプローチを考え出すことが 必要となります。 プログラミングのスキルでいうなら、 データサイエンスで特に役立つ言語として Python（パイソン）や R（アール）が挙げられます。 どちらも、データ操作とモデリングの 定番と言えるほどよく使われる言語です。 また、C（シー）、C （シープラスプラス）、 Java（ジャバ）は、データサイエンスの バックエンド部分に使用される汎用言語で、 高速処理を実現します。 SQL（エスキューエル）は 「構造化クエリ言語」の頭文字で、 リレーショナルデータベースで データの問い合わせや操作を行うための 言語として作られました。 さらに、複数の言語に対応する パッケージがあります。 例えば TensorFlow（テンソルフロー）は、 ディープラーニングに用いるソフトウェアの オープンソースライブラリーで、…