コース: 顧客サービスの基礎

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顧客の怒りを鎮める

顧客の怒りを鎮める

サービスの不備に対する顧客の印象は、 感情に強く左右されます。 顧客が怒っていると、 問題はより深刻に感じられます。 ダニエル・ゴールマンは著書の中で、 これを「感情のハイジャック」 と呼んでいます。 人は極端に感情が高ぶると、 理性を司る脳の部分まで 乗っ取られてしまい、 感情が落ち着くまでは、 理性的に振る舞えなくなるというのです。 では、感情のハイジャック状態に陥った 顧客の例を見てみましょう。 もう無理。 30 分も待たせるなんて。 まだですか? お客様、落ち着いてください。 わかってます。 まだ 10 分です。 わかってます。 その態度は何? あなたの上司を呼んで。 (深いため息) ジム、ちょっと受付まで 来てもらえませんか。 どうも。 責任者が参ります。 これは私が実際に目撃した場面の再現です。 顧客の怒りの種はささいな問題でも、 担当者が言い返したり、 落ち着いてなどと言ったりすると、 火に油を注いでしまうのです。 お客様は常に正しい、という有名な言葉は、 客観的な事実というわけではありません。 この例でも、顧客の待ち時間は 30 分ではなく 10 分でした。 この言葉の意味は、 顧客と言い争うなということです。 感情のハイジャック下では、 事実が誇張されがちです。 反論したり誤りを指摘したりすると、 かえって怒りは強まります。 感情が高ぶった顧客には、 用件に入る前に心を落ち着ける助けを することが重要です。 こうした状況で顧客の怒りを鎮めるのに 役立つのが、味方化の手法です。 味方化の手法のポイントは、 敵ではなく、 味方として顧客に接することです。 まず、話をよく聴き、思いを発散させると、 怒りの度合いは自然に下がっていきます。 次は、顧客の思いを汲んで、 味方であると示します。 全面的な同意でなくても、 顧客の助けになりたいという思いが 伝わればいいのです。 最後に、話題の焦点を解決策に移し、 顧客が建設的に問題を捉えられるよう 支援します。 ではここで、サービス担当者が 味方化の手法を使うとどうなるか 見てみましょう。 もう無理。 30 分も待たせるなんて。 まだですか? 申し訳ありません。 お急ぎでしょうか? いえ、ただ嫌なんです。 郵便局と免許の更新で待った上に、 ここでも待たされるので。 それは大変でしたね。 本当に。…

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