エクストラマイルのサービスを提供する

優れた顧客サービスは、 エクストラマイルとも呼ばれます。 「期待以上の距離」という意味です。 少し余分に努力するだけのことかというと、 そうではありません。 期待以上かどうかを決めるのは、顧客です。 私たちがすべきことは、 エクストラマイル思考を身につけて、 チャンスに目を配り、 チャンスを捉えたら行動することです。 例で見てみましょう。 はい、これで結構です。 行き方はわかりますか。 ええ、まあ。 顧客のこんな返答に、 サービス担当者は応対が 完了したと考えがちですが、 エクストラマイル思考が身についていると、 顧客の声ににじむ不安から チャンスを感知します。 では、改めて今の場面の 続きを見てみましょう。 はい、これで結構です。 行き方はわかりますか。 ええ、まあ。 ああ、では一応、 地図を差し上げましょう。 ありがとう。 ここが現在位置で、 次に行かれる場所がこちらですね。 念のためこれも書いておきます。 私はオスカー、これが私の電話番号です。 何かあったらお気軽にお電話ください。 ありがとう、オスカーさん。 助かります。 お世話さまです。 お気をつけて。 このように、顧客の状態を察知することが、 期待を超えるサービスの入口です。 一方、期待を超えるサービスの 支障となる要因も数多くあります。 同じ対応で固定化してしまう 仕事のルーティン化、 繁忙期の需要に高速で 対応しなければならないプレッシャー、 時に出くわす理不尽な顧客に、 役立つ仕事をしたいという思いが しぼんでしまう状況などです。 また、チャンスに気付いても、 行動に踏み切れない時があります。 行動に移りやすくなる練習をしましょう。 エクササイズファイルを ダウンロードするか、 白い紙を１枚用意してください。 まず、あなたの顧客の 基本的な期待を書き出します。 たとえば、素早く、親切で、 豊富な知識に基づくサービスとします。 次に、どうすればそれぞれの期待を 超えることができるかを考えます。 素早いサービスへの期待を超える ひとつの方法は、 顧客を惹きつける仕組みで 待ち時間を意識させないことです。 待合室に雑誌、テレビ、無料のコーヒーや Wi-Fi があったり、 コールセンターで注文処理を待つ間に 話しかけてくれたりするのはそのためです。 親切への期待を超えるのは、 個人に応じた対応です。…