コース: クリティカルシンキング

新たなレンズを通して批判的な視点で見る

コース: クリティカルシンキング

新たなレンズを通して批判的な視点で見る

クリティカルシンキングで 問題を定義する際は、 新たなレンズを通して問題を 見ることも有効です。 異なる視点、異なるコンテキスト、 異なる現実から問題を捉えます。 それぞれ見ていきましょう。 まず、視点を変えて見てみます。 CEO の立場から問題を 定義したらどうでしょうか。 前線で働くスタッフ、顧客、隣のグループなど それぞれの立場によって 問題の捉え方は異なり、 それをどう定義するかも異なります。 遠く離れた場所から見た場合と 近くからの場合とでは、 景色が違うのと同じことです。 次に、コンテキストです。 問題を別の見方で捉えることができますか。 私たちは自分の職務上の立場で 問題を捉えがちです。 財務部門に所属する人は 財務の問題として捉え、 IT 部門に所属する人は同じ問題を IT の問題として捉えます。 コンテキストを変えた時に問題の定義は どう変わるでしょうか。 最後に現実を変えて見てみます。 もしこうだったら、と考えます。 もし、制約を いくつか取り除くことができたら。 もし、少しのリソースがあったら。 もし、あれではなく、 これをすることができたら。 このように、別の現実を想定すると、 問題を定義する別の方法が見つかり、 新たな可能性が広がるかもしれません。 問題の見方を変えることで、 問題の本質を明確に理解することができ、 革新的で洞察に満ちた解決策を 導き出せるようになります。 集金の例に戻りましょう。 当時、私たちはこの問題を代行業者の 管理の問題であると捉えていました。 代行業者との関係をうまく管理して 業者の効率を上げる方法を 模索しようとしていました。 一方で、戦略の問題と捉える人もいました。 これらの業務を外注すべきか、 社内で行うべきか。 また、この問題を手数料 または料金設定の問題と捉える人もいました。 代行業者に支払っていた 手数料や報奨金は適切だったか、 効率を高めるためにこれらを変えるべきか。 あるいは、前線で働くスタッフの教育の 問題と捉える人もいました。 効率よく業務を進めるために必要なツール、 テクニック、研修を提供していたか。 このように問題を あらゆる視点から見ることで、 解決策の可能性は広がりました。 また、既成の制約を 取り除くことも試みました。 自社の技術プラットフォームは うまく機能していましたが、 代行業者は別の古いシステムを 使っていました。 当初はそれを代行業者の問題だと 決めつけていました。 この制約を取り除き、代行業者に 同じプラットフォームを 使ってもらったらどうなるでしょうか。 こうすると、たくさんの新しい 解決策を見出せます。 このように、別のレンズ、 つまり現状とは異なる視点、コンテキスト、 現実を通して問題を考えることによって、 問題解決の新たな可能性を 切り拓くことができるのです。 皆さんが現在抱えている問題を異なる観点から 捉えてみてください。 立場を変えて考えることが難しければ、別の 部署の誰かに協力してもらうとよいでしょう。 相手に問題を説明し、その問題を どのように捉えるか聞いてみます。 相手の立場から別の観点で 考えてもらいましょう。 コンテキスト、現実、取り除ける 制約を聞いてみます。 どの前提を変えれば、 問題の見方を変えられるでしょうか。 問題を別の角度から見ると、 その定義も変化し得ることを理解すれば、 狭い視野では見つけられなかった最適な 解決策を見出すことができるかもしれません。 じっくりクリティカルシンキングを実行し、 今の問題の見方から一歩離れて、 別の定義ができないか考えてみましょう。

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