コース: ポジティブで健全な職場環境を作る

職場のネガティブな行動に対するコストを理解する

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職場のネガティブな行動に対するコストを理解する

礼儀の専門家クリスティーン・ポラスは 調査を実施した所、 職場での無礼な振る舞いは、 組織に対する社員のコミットメントを 低下させることがわかりました。 また、無作法な人を相手にするのは 時間の無駄であり、生産性を 低下させると答えています。 カナダ安全評議会によると、 いじめを受けていると感じる人は 一日の大半を愚痴に費やすか、 転職を考えています。 これはプレゼンティズムと呼ばれ、 出社しても頭が働いていない状態を 指します。 世界的に有名な学術研究者 シャーロット・レイナーと ローラリー・キーシェリーは、 1,000 人の社員がいる組織では、 1件のいじめが、離職やプレゼンティズム、 時間の浪費、顧客の損失、 仕事の質の低下など、 あらゆるネガティブなできごとを 引き起こし、約 100 万ドルの コストがかかると見積もりました。 これは有益な情報ですが、 皆さんには当てはまらないかもしれません。 組織でネガティブな態度がもたらす 実際のコストを見てみましょう。 わかりやすくするために、 コストを4種類に分けました。 また、エクササイズファイルでは 例を含めたコストワークシートを 用意しました。 1つ目は心理的コストです。 人は、ネガティブな環境下では 最高品質の仕事をすることはできません。 ストレスや意欲の低下、落ち込み、 不安などを覚えるため、当然、 仕事にも影響があります。 このカテゴリのコストを決定するには、 生産性の低下や顧客の喪失、健康保険料、 ストレスに対する労災請求などを 検討する必要があります。 社員がストレスを感じる場合に 損害が発生する分野について ブレインストーミングを行ってみましょう。 コストがかかるストレスの例が きっと見つかるはずです。 次は、損失時間です。 カウンセリングや苦情の対処に どのくらいの時間を費やしましたか。 あなたの時給を決めて、 それを掛けてみましょう。 あなたの時給が 50 ドルで、 過去一年間で 240 時間を費やした場合、 計 12,000 ドルになります。 ネガティブな環境に関与した ほかの人についても 同じ計算をしてみてください。 10 万ドルは軽くいくと思います。 また、カナダ安全評議会の情報によると、 たとえば、1部門で 職場のいじめがある場合、 5人の社員全員が半分の時間しか 仕事をしていない可能性があります。 給料だけでも高くつきますが、 具体的にかかってくる費用もあります。 たとえば、常習的欠勤や失業保険、 苦情の調査、ネガティブな環境を 解決するために実施した 研修プログラムなどがあります。 さらに、離職に関わるコストがあります。 離職のコストは、退社した社員と 交代要員の採用と研修に 費やした時間費用で計算されます。 これには、退社と 新規雇用の手続きに要する時間、 仕事を埋め合わせるための残業、 管理者とスタッフの生産性の損失が 含まれます。 また、新入社員が仕事を完全に 覚えるまでに約6か月かかります。 それまでは支払っている給料分を 回収できないため、 毎日損失を被ることになります。 最後のカテゴリは法定費用です。 ハラスメントや意図的な 精神的苦痛を受けたこと、 不当解雇などで社員から訴えられた場合、 弁護士費用と和解費用がかかります。 UCLA(ユーシーエルエー)の ランド研究所によると、多くの場合、 原告は雇用者から 10 万ドル代の支払いを受けられます。 裁判費用は約 15 万ドルで、 たとえ裁判官が告訴を棄却した場合でも、 平均的な法定費用は 7万 5,000 ドルにのぼります。 重要なのは、社員は投資すべき資産であり、 失敗すれば、効率性やロイヤルティ、 品質、カスタマーサービスも 同じ結果をたどるということです。 社員が自分の仕事を楽しみ、 同僚と良好な関係を築くことができれば、 おのずとパフォーマンスが上がり、 競争上の優位性を得ることができます。 ネガティブな職場環境が 高くつく証拠が必要であれば、 コストワークシートで確認してください。

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