コース: 変化を活かす企業文化を育むには

知らないことの力

コース: 変化を活かす企業文化を育むには

知らないことの力

かつてビジネスの世界では、 わかりません、すみません、 私の勘違いです、という言葉は稀でした。 特に管理職やリーダーが これらを口にすることは、 弱さのしるしと見なされました。 知らないと認めるより、 適当な作り話をする方が無難です。 間違いを認め、謝罪するのは さらに悪いことで、 誰かのせいにする方が簡単です。 これは、人は学ぶことが できないという考え方が前提です。 すべてを知っていて 絶対に間違わないのであれば、 学ぶ必要はありません。 多くの場合、無知や助けが必要なことを 他者に知られたくない、 という人間のエゴは学習を妨げます。 初心者の心には多くの可能性があり、 熟練者の心にはほとんどない、 と禅では言います。 完璧主義の閉鎖的な考え方は今日、 最も成功している企業では 受け入れられません。 リーダーには学習の敏しょう性と 適応性が求められる時代です。 そういったリーダーは、 他者と一緒に問題を解決する 協調性があると見なされます。 自分の専門外での経験や 知識を持つ者を採用する勇気があり、 権限を与え、適切な人材を雇用し、 方向性と自主性を促し、 最小限の管理で信頼して仕事を任せます。 改善と変革のために新しい方法を 試すことをいとわない リスク耐性があります。 そして弱さを受け入れ、間違い、 そこから学び、それを同僚と共有するのが 人間であると認めます。 これらの資質には、 高いレベルの自己認識力の育成が必要です。 最も効果的な方法のひとつは、 フィードバックを求め、受け入れ、 取り入れる意欲と能力です。 フィードバックの要求は、 自分の言動が他者に与える影響について、 自らの理解の不完全さを意味します。 私たちの言動が他者に与える影響について、 自ら想像はできても、 相手に聞くまではわかりません。 フィードバックを求めることで、 他者の評価を確認し、自分自身についての 新たな一面を知ることができます。 いずれにせよ、フィードバックは有益です。 ここで質問です。 自分自身について学んだあと、 改善できる部分をみつけたとします。 変わる意欲はありますか。 新たな洞察を取り入れ、 行動を変えることができるなら、 変化を活かす企業文化の中で成功できます。 知らないことには多くの利点があり、 無数の学びがあります。 心の制約を解けば、 重要な問題の解決に集中できます。 他者と知識を共有することで、 関係を築けます。 知らないことを知らないと認めることが、 知る力なのです。

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