貸借対照表とは

分析には財務諸表を使います。 前もって主な財務諸表の ３つについて復習しましょう。 貸借対照表、損益計算書、 キャッシュフロー計算書です。 これらの財務諸表に何が含まれているか、 簡単に確認します。 まず、すべての財務諸表のベースとなる 貸借対照表から説明します。 貸借対照表には企業の資産が記載されます。 企業の財産、金銭的価値のあるもの、 現金、土地、在庫です。 これらが企業の資産です。 貸借対照表のもう一方の部分には、 資産を購入した資金源、 負債、純資産が記載されます。 貸借対照表には、500 年ほど前に イタリアで生まれた偉大な知見である 会計等式が具体化されています。 この後、架空の例を使って いくつかの財務比率分析を行います。 まず内容を確認しておきます。 会社名はアンサーテン社としましょう。 この会社の経営状態は よくわかっていません。 これがアンサーテン社の資産です。 現金が 700 ドル。 売掛金、つまりこの会社に外部から 支払われる予定のお金が 4,000 ドル、 この会社が今後の販売のために 保持している在庫が 1,800 ドル、 最後に土地、機械、建物などの 固定資産が 8,000 ドルです。 資産の合計は 14,500 ドルになります。 貸借対照表は 平衡が取れている必要があるので、 これら 14,500 ドルの資産を 購入するための資金を どこから獲得したかも詳しく記載します。 資金源のひとつとして考えられるのは、 負債です。 負債とは、お金を返済する義務、 または将来サービスを提供する 義務のことです。 たとえばウォルマート社は 在庫をどこから得ているでしょうか。 在庫とは、販売するために 保持している商品です。 サプライヤーが提供する商品の代金は 後払いになっていて、 これを買掛金と呼びます。 他にどのような負債があるでしょうか。 ディズニー社には長期借入金があります。 返済する必要があるお金です。 デルタ航空の負債は少し違います。 デルタ航空の顧客は、 先に料金を支払い、後で搭乗します。 搭乗までの間、デルタ航空は顧客に サービス提供の義務を負います。 これは負債で、 貸借対照表に記載されます。 アンサーテン社の負債は、 買掛金 2,500 ドルと 長期借入金 4,500 ドルの２つで、 合計 7,000 ドルです。…