利益と純利益を定義する

マイクロソフト社の 昨年度の利益を知っていますか。 どの利益のことですか。 １つじゃないんですか。 ええ。 ではマイクロソフト社の営業利益は、 昨年度はどうでしたか。 どれでしょう。 これもですか。 ええ。 では純利益はどうですか。 昨年度はどうでしたか。 これもさまざまです。 答えは単純ではないのですね。 利益、営業利益、純利益は、 みな同じ意味ではないのですか。 企業の業績を表すものですよね。 まったく同じであるとは言えません。 混同して使われることがあるので、 紛らわしいのです。 私も混乱しています。 無理もありません。 皆さんには、わかりやすく説明しましょう。 これは、2018 年６月 30 日時点の マイクロソフト社の ごく一般的な損益計算書です。 売上総利益、営業利益、 税引前利益、純利益が記載されていますね。 企業が利益と言う場合、 どれのことなんでしょうか。 ほとんどの場合、純利益です。 これは損益計算書の一番下の行に 記載されるので、 ボトムラインと 呼ばれることがよくあります。 ここには、営業利益が記載されています。 マイクロソフト社が営業活動から 得ている利益の金額ですね。 そのとおりです。 営業利益という言葉は 聞いたことがあると思います。 これは、企業がビジネスを 通じて生み出した資産の金額です。 この場合、クラウドサービスや ソフトウェアなどの販売で 生み出した金額です。 営業利益の後に、税引前利益があります。 営業利益と税引前利益の違いは何ですか。 良い質問です。 これらの違いは、 日々の営業活動とは関係のない収益、 費用、損益が含まれているかどうかです。 投資で得た受取利息や、 融資の支払利息などですね。 固定資産の売却や 全製品ラインの売却などもあります。 日常的に発生するものではありません。 中核となるビジネスには含まれませんが、 ある種の利益を生み出したり 使ったりするものです。 最後に純利益です。 税引前利益と純利益の違いは、 企業がさまざまな行政機関に 支払う必要のある税金が 含まれているかどうかですね。 そのとおりです。 税金はビジネスをする上でのコストですが、 企業の中核となる事業や 周辺業務には関係しません。 これまでの内容をまとめましょう。 利益、営業利益、純利益という用語は、…