コース: 企業の財務諸表分析

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例:ノードストローム社とマイクロソフト社

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コース: 企業の財務諸表分析

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これまで説明したように、 収益性にはさまざまな指標があります。 このノードストローム社の 損益計算書を見てもわかるように、 1つの計算書に収益性の指標が 複数含まれています。 ノードストローム社は売上総利益、 営業利益、税引前利益、 そして純利益を公開しています。 利益と収益という用語が 同じ意味で使われています。 重要なのは、誰かが「利益」や「収益性」 という言葉を使ったら、 具体的に聞く必要があるということです。 売上総利益なのか、営業利益なのか。 営業利益と純利益のどちらなのか。 業種の異なる企業を同じように 考えることはできません。 デュポンフレームワークで説明しました。 全体的な自己資本利益率は 異なる業種間でも比較できますが、 自己資本利益率の構成要素を 比較することはできません。 ノードストローム社とマイクロソフト社の 値をデュポンフレームワークで 計算してみましょう。 マイクロソフト社の売上利益率 15%は ノードストローム社の 3.6%より 大幅に高いので、 どちらが ROE が 高いかわかるはずですが、 本当にそうでしょうか。 まずマイクロソフト社の ROE を計算します。 売上利益率は 15%で、効率性は 0.4 レバレッジは 3.1%です。 計算すると、アールオーイーは 20%になります。 良い値です。 多くの企業が切望する値です。 次にノードストローム社を見てみます。 収益性は 3.6%です。 これをデュポンフレームワークで調べると 驚くことがわかります。 ご覧のように、収益性は 3.6%です。 それほど良い値ではありませんが、 効率性の値が2なので、 利益幅が2倍になります。 ノードストローム社のレバレッジの値9を マイクロソフト社の値 3.1 と 比べてみてください。 レバレッジの値によって、 アールオーイーが 65%に 跳ね上がります。 65%というのは信じられない値です。 ノードストローム社は、 効率性でも収益性でもなく、 レバレッジによって成功を収めました。 収益性の話に戻りましょう。 企業の収益性の値を見るときには、 注意が必要です。 分析や比較を行う前に、収益性という言葉が どの意味で使われているのかを 確認する必要があるのです。

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