一般的な分析方法

企業の財務諸表分析には、 いくつか一般的な分析方法があります。 ひとつの方法は、百分率財務諸表と 呼ばれるものと関係します。 百分率財務諸表は、 財務諸表の数値を総売上 または総資産で除算して作成します。 たとえば、百分率損益計算書は、 損益計算書のすべての数値を売上で 除算して作成します。 このような単純な計算から、 多くの情報が得られます。 同じ企業の異なる時点の 財務諸表を比較したり、 複数の企業の同じ時点の財務諸表を 比較したりできるようになります。 利益幅という言葉を 聞いたことがあると思います。 これはどのようなものでしょうか。 利益幅とは、一定の売上高に対する 利益を意味します。 損益計算書の最後の数値、 つまり最終利益または純利益を、 損益計算書の最初の数値、 つまり売上または収益で除算して求めます。 人が企業の収益性について話す場合、 通常は比率を使って説明します。 肝心なのは、いくつかの単純な計算によって 多くの有益な情報が 得られるということです。 財務諸表分析の もうひとつの一般的な方法は、 財務比率分析と呼ばれるものです。 この方法では、財務諸表の特定の 数値間の関連性を調べます。 私のお気に入りの会計分析である デュポンフレームワークでは、 企業の収益性、効率性、レバレッジが すべて明らかになります。 この分析では、これら３つの側面から 企業の状態を把握できます。 財務諸表分析には ４つのプロセスがあります。 まずデュポンフレームワークを使って、 自己資本利益率を いくつかの構成要素に分解します。 自己資本利益率は、企業の業績を 全体的に測る基準となります。 分解が完了したら、 次に百分率財務諸表を作成します。 それから他の比率を使って、 企業の収益性、効率性、 レバレッジを評価します。 以上３つのプロセスを経た後、 財務成績に関して適切な検討ができる 人物を特定できるようになります。 それが４つ目の、最も重要なプロセスです。 このコースでは、財務諸表分析における これら４つのプロセスを説明します。 大事なことなので何度も繰り返しますが、 数値は分析プロセスの始まりに過ぎません。 数値を出すことが目的ではありません。 数値を分析していくうちに、 それらの数値に責任を持つ 人物がわかってきます。 改善が必要な場合は、…