人が間違った言動をしてしまう理由

人はなぜ誤ったことを言うのか、 少なくとも理由が４つあると思います。 １つ目は、違いに対する 根本的な居心地の悪さです。 ２つ目に、私たち自身が 気づいていない文化的レンズや、 世界観のようなものがあり、 自分独自の特殊な見方に基づいて 相手を不快にする発言をしてしまいます。 発言は自分の文化的レンズを通したもので、 相手の文化的レンズには気づかないために、 そのような盲点が生まれてしまいます。 ３つ目は、アンコンシャスバイアス、 つまり、無意識の偏見です。 善良な人であっても、 アンコンシャスバイアスがあり、 発言の中に現れるのです。 ４つ目の原因は、 自分が恵まれた立場にいることに 気付いていないことです。 社会や、職場での地位や、立場によって、 自分にとって簡単なことが、 他の人にとっては どれほど難しいかに気づかないのです。 例を挙げましょう。 ある講演の後、ダイバーシティについて 相談したいことがあると、 私に話しかけてきた男性がいました。 「同僚が妊娠しているが、 自分は何も言っていない」と言うのです。 「妊娠について、何も言っていない」 とのことでした。 お腹はとても大きいそうなので、 なぜ何も言っていないのか 理由を尋ねたところ、 「間違ったことを言うのが嫌だ」 という答えでした。 その男性をとても気の毒に思いながらも、 「何かを言うべきことについて、 何も言わないのは、 間違ったことを言ったのと 同じことだと思います」と言いました。 間違ったことを言うのが心配で、 何も言わないというのは、 よく見る光景です。 確かにそれも違いに対処する ひとつの方法ですが、 何も言わないこと自体が、 ある種のメッセージとなり、 うまくいかないことがあります。 違いに対処するもうひとつの方法は、 話題を避けて通ることです。 何か言うには言うのですが、 無難すぎる発言だったり 正しい言動をしようとしすぎて、 嘘っぽく感じられたりすることがあります。 違いについて、何を言うべきか わからない人がとる３つ目の方法は、 攻撃的になることです。 私たちは何か、居心地の悪さや 認識不足を認めつつも、 前進できる他の方法を 見つけるべきではないでしょうか。 問題は、黙っていれば乗り切れると 誤解している人が多いことです。 言うべきことを理解しておくべき 状況になりつつあります。…