コース: コミュニケーションの基礎

批判に対処する

コース: コミュニケーションの基礎

批判に対処する

何週間もかけて取り組んだ 提案をクライアントに却下され、 上司から自分の仕事ぶりに 不満を示されたとします。 ここでは、考えに反発を示された場合や、 仕事を批判された場合に 使える方法を紹介します。 防御的だと捉えられることなく 立ち向かう方法に焦点を当てます。 まず、偏見を持たないようにします。 心のフィルターや先入観が防御反応を 生んでいないか自分に問いかけます。 例を挙げましょう。 通勤ラッシュの時間に車で 渋滞にはまったとき、 夫がため息をつきながら 「だから回り道で行ったほうが いいと思ったんだ」と言ったとします。 そこで私は「知るわけないでしょう。 自分こそ渋滞情報アプリを見なかったの」 と反応するでしょう。 これが典型的な意図と影響のずれです。 夫の意図は渋滞について 同情し合うことでした。 ところが私は、不適切な経路を選んだ 私を非難していると解釈しました。 個人的に受け止めず、 前向きな意図があるものと 考えることが大切です。 次に、批判について じっくり考える時間を取ります。 私も学生に課題が的外れで 時間の無駄だと言われました。 学生はイライラしている様子だったので 広い視野で 見られなかったのかもしれませんし、 彼の言うとおりかもしれません。 考える時間が必要だったので、 防御したり受け入れたりせず、 「フィードバックをありがとう」 とだけ伝えました。 それだけです。 多くの場合「ありがとう」 と言うだけでいいのです。 それ以上のことを伝えたい場合は、 共感を示しましょう。 質問をしてもよいでしょう。 学生のイライラに気付いていたなら、 「期待していた内容と、 課題が的外れだった部分を聞かせてほしい」 と質問できます。 私はハーバードビジネスレビューの 記事にあった「最初に浮かぶ 2つの考えは無視する」という 提案が気に入っています。 1つ目は防御、 2つ目は非難になる傾向が高いためです。 採用すべきは3つ目に浮かんだ考えです。 問題解決に焦点を 当てるようになるためです。 渋滞にはまったときの 私の反応を覚えていますか。 「知るわけない」でした。 これは防御です。 2つ目の反応は 「自分こそ渋滞情報アプリを見なかったの」 でした。 責任転嫁し、非難しています。 問題解決に焦点を当てた 3つ目の考えを採用すべきです。 たとえば「別の道はないかな」です。 最後に、防御的になった場合は、 「はい、では…」と切り返す 「Yes, and(イエス、アンド)」の手法を 使いましょう。 「Yes, and(イエス、アンド)」は 即興コメディーで使われる方法で、 会話を前に進めることができます。 例えば、ジェイクがプロジェクトにおける アマンダのリソース割り当て能力を批判し、 チームに担当者があと1人は 必要だと考えているとします。 アマンダは個人的に受け取りそうになる 衝動を抑え、1つ目に浮かんだ 「私たちだけで対応できると思わないのか」 という考えを無視します。 2つ目に「彼はやる気がない、 力を入れてもらわないと」という 考えが浮かびますが、 非難する気持ちを抑えます。 生産的な会話はこのようになります。 推定所要時間が合っていないので、 追加の担当者なしにはクライアントの 期待に応えられません。 ご指摘ありがとうございます。 詳しく話してもらえますか? チャネルが増えたので、 もっとサポートがあれば 確実に対応できると思うのです。 ソーシャルメディア広告に対応する 担当者が必要なのですね。 はい。お願いできますか? はい、では予算内になるよう検討します。 「はい、では」と返すと解決に向かいます。 これで、立ち向かうための 基本が分かりました。 ツールキットで試してみましょう。

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