コース: リーダーとマネージャーのためのコーチングスキル

コーチングの基礎

コーチがいた経験がある人も多いでしょう。 野球やホッケー、水泳などです。 コーチングの概念は広く知られています。 しかし、ビジネスの世界では、 コーチング、メンタリング、 トレーニングの境界は やや曖昧になっています。 まずはこれらの定義を明確にしましょう。 トレーニングとは、スキルの学習です。 職務に必要なスキルを従業員が 身につけられるように支援します。 メンタリングとは、経験に基づいて、 高いレベルのサポートと 助言を提供することです。 コーチングは、2つを戦略的に 組み合わせたようなものです。 重要なのは、他者を成功させる能力です。 キャリアの妨げとなっているものを見つけ、 その問題を克服できるよう支援し、 潜在能力を最大限に発揮できるよう導き、 より高いレベルで成功する準備をさせます。 ここで、コースで提供している 「コーチングについての自己評価」の 資料をご覧ください。 この演習で、コーチングにおける 自身の長所と短所を評価できます。 コースの最後に 能力開発の目標を立てるところで、 再度確認してください。 それではコーチングの 5つの要素を確認しましょう。 ひとつ目に、コーチングでは、 短期的なパフォーマンスの改善と、 長期的なパフォーマンスの発展の 両方を重視します。 パフォーマンスを改善するコーチングでは、 従業員が現在の職務をより効果的に 行えるように支援します。 スキルを身につけられるよう支援したり、 目標達成の妨げになる行動の問題や 人間関係の問題に対処したり、 期待を明確にしたり、 結果について話し合ったりします。 パフォーマンスを 発展させるコーチングでは、 将来に向けた備えを支援します。 従業員の強みを知り、 長期的なキャリアのビジョンを理解します。 目標をはっきりと 定義できるように導いてから、 将来に備えて必要なスキルと 経験を獲得できるよう支援します。 社内の他の部署に紹介したり、 多少難しい課題を与えたり、 大きな責任を負わせたりします。 それによって、成長するための準備、 あるいはリーダーになるための 準備ができます。 優秀なコーチは、短期的な改善と 将来に向けた準備の両面から 従業員を支援していきます。 2つ目に、 コーチングとはイベントではなく関係です。 毎週火曜日など、 カレンダーに入れる予定として 考えるのではなく、継続的で インタラクティブなものとして考えます。 誠実さと信頼に基づく、 継続的なプロセスです。 コーチングを実施するということは、 関係を強化して継続的なサポートを 提供することです。 3つ目に、形式ばったものである 必要はありません。 リーダーは、従業員と 1対1のミーティングを 定期的に行う必要がありますが、 休憩室や、ミーティングのあとの立ち話でも コーチングは可能です。 コーチングする側が プロセスに慣れてくれば、 コーチングの要素をあらゆる状況に 徐々に織り込んでいくことができます。 4つ目に、重要なのは、 答えを与えることではありません。 コーチングを行うリーダーは、 話を聞き、質問します。 自分で答えを見つけるように導きます。 コーチは何かを求めるのではなく、 会話を始めます。 もしこうだったら、と尋ねて、 従業員の好奇心を刺激し、 成果を重視するように促します。 最後に、コーチングが 適していない場合もあります。 コーチングには時間がかかるので、 あらゆる場面に適した方法であるとは 言えないのです。 リーダーが決定を下して プロジェクトを進める場合もあります。 コーチングが適しているかどうかを 見極めるには、判断力が求められます。 リーダーによるコーチングの定義と 文脈をよく理解してください。 マネジメント戦略としてのコーチングを 上手く取り入れるうえで役に立ちます。

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